深海2018

蒲谷 杏里

作者によるコメント

深海の魅力を紹介する展覧会のポスターを制作しました。深海は、私たちが容易に踏み込めない未知の世界で、宇宙人のようなおかしな生き物たちがうじゃうじゃ住んでいます。その不思議な見た目や生態は、暗くて冷たい過酷な環境で生きるために身に付いた知恵です。その特徴を生かして、実際に存在する深海生物たちをモデルに一匹ずつヴィジュアル化しました。

担当教員によるコメント

新鮮な感動を生み出すためには、創造者の譲れない世界観と常識を疑う力が大切だと思う。この両者を基盤に、テーマを定め、更に魅力的なビジュアルとして人々に証明することを学生達は要求される。実験と失敗を繰り返す時間によってのみ見出すことの出来る成就への長い道のりだ。蒲谷は圧倒的な仕事量でこれを克服する。美術大学でデザインを学ぶ意味を見事に実証した数少ない才能の持ち主なのだ。卒業制作は深海生物をテーマにした展覧会の告知ポスターである。リアルな企画から生じた個性豊かなキャラクターを縦横無尽に展開させるB全30点の大作だ。三年次にも水族館を想定した海鷂魚のポスター群を同数近く制作している。質の高い蒲谷の実践は常に尋常ではない。

教授・澤田 泰廣