卒業制作優秀作品集2018
グラフィックデザイン学科
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- 髙木 勇輔
ROMAERE
タイポグラフィ
技法・素材:紙、大理石、Illustrator、Photoshop、InDesign、Glyphs
サイズ:パネル=H1030×W728mm(4点)/本=H420×W297mm(1点)/大理石=H130×W130×D20mm(27点)
Romaereシリーズはトラヤヌス帝の碑文という現在のローマン体の母型ともいわれる碑文の大文字の形を抽出した書体です。またそれに合わせて小文字も制作し、その碑文の大文字の骨格を抽出したサンセリフ体も制作しました。コンセプトとしてローマ史に関連するデザイン物や高級ブランド等に適した書体です。またそれを制作する過程でその碑文の大文字を大理石に彫りました。
担当教員によるコメント
現存するすべてのローマン体の源流ともいえる、古代ローマのトラヤヌス帝碑文を分析して設計した書体です。まず鉛筆で描き、カリグラフィペンで書き、実際に大理石を彫って、形の特徴を体得します。その上で碑文の骨格を徹底的に比較研究し、セリフやストロークのバランスを整えながら、現代にふさわしい形態に到達しました。小文字や記号類だけでなく、アクセントや合字も加え、デジタルフォントとしての完成度を高めています。さらに同じ骨格からサンセリフ体をつくり出し、そのファミリー展開も経て、用途の幅を広げています。ジョンストンやギルとはまた違う結果に至ったことが、考察の深さを物語っていると思います。
非常勤講師・山本 政幸