あなたとの思い出が、ドライフルーツになるまで。

小谷 菜津子

作者によるコメント

私はこの23年間、沢山の人と関わってきました。その中でもお世話になった人、今の私に置いての人格形成のルーツになった人がいます。大学を卒業し、社会人になるという節目に立つ今、そんな私にとっての大切な人に改めて会いに行き、感謝の想いを伝えたく、7人の方にお土産を持って会いに行きました。そこで過ごした時間はかけがえのないものばかりで、相手に対して更なる感謝の想いが芽生えました。そこで、相手とお話した印象的なエピソードを元に、「私から見たあなた」をドライフルーツにして、新たな贈り物を作りました。

担当教員によるコメント

これまでの成長を支えてくれた故郷の人々に、感謝を伝えるプロジェクトとその活動の記録。作者は大学四年になって就職先も決まり、卒業後は都会で働くことになっている。この先帰郷の機会が減ることを踏まえ、卒業という節目に年齢や性別も様々ないく人もの恩人を訪ねることを卒業製作のテーマとした。それは、故郷を舞台にした「他者と自身の関係を再定義する」物語になった。制作の一環として自作の手土産を持って故郷の恩人に再会する。思い出話に花を咲かせながら、自身の成長のエピソードを語り合うことが、相手と自分にとって共通の経験の再定義につながる。テーマと共に「現在」から「過去」がかたちづくられていく様が浮かび上がる丁寧な対話の編集と構成が優れている。

准教授・矢野 英樹

  • 作品名
    あなたとの思い出が、ドライフルーツになるまで。
  • 作家名
    小谷 菜津子
  • 作品情報
    冊子、立体作品
    技法・素材:紙、食品、Illustrator、InDesign、Photoshop
    サイズ:冊子=H256×W147×D5mm/箱=H109×W123×D45mm(7点)
  • 学科・専攻・コース