おいしい食卓 ―音のまぜごはん―

佐藤 友美

作者によるコメント

料理を大きなテーマとして、生活の中にあるおいしい音を探し、動画を制作した。食べ物の音には、そのものがもつ『おいしい音の魅力』があると思う。私たちは日常ではその音を常に複数同時に聞いている。本作品では複数の音を掛け合わせることにより、その音の魅力がより引き立つように制作した。耳の中で音を混ぜているような感覚で聞いてほしい。

担当教員によるコメント

佐藤は生活の中にあるさまざまなおいしい音を採集し、動画作品としてまとめた。卵を割る音や目玉焼きを焼く音、コーヒーをドリップする音、食パンにバターをぬる音、野菜を刻む音など、何気ない日常の音が平和な響きに満ちていることがわかる。そして、この作品の最も素晴らしい点は、それぞれの複数の音を同時に見せているところにある。掛け合わされた音の響きが心地良いだけでなく、知らず知らずのうちに見る者はそれぞれの行為と音を頭の中で混ぜ合わせ味わっていて、見ていておいしいのである。「味わう」ということの本質に迫っている作品である。

教授・深澤直人、准教授・長崎綱雄