EGG

小野 ひかり

作者によるコメント

たまごが一度も出てこない、たまごのグラフィック作品。色や形はもちろん、「割れる」「茹でる」「溶く」など、たまご特有の本質的要素に焦点を当て、全く違ったものや他のものに見立ててたまごを表現しました。デザイナーの卵としての最後の作品です。全26種類。

担当教員によるコメント

3つ並んだの縦長のスクリーンに「EGG」を登場させずに「EGG」を感じさせるスチールやムービーをスライドショーのように流し続け、3枚が同期する瞬間もあるというカラフルで時間軸を持った飽きることない力作。小野が追求してきた極彩色のカラーコントロールや、タイポグラフィー、写真やモーショングラフィックを構成して、非常に強いインスタレーションを作り上げた。EGGの形状、色彩、意味、食べ物としての要素を一度解体して、再構築していることがユニークだ。スクリーンのサイドに設置されたラックに置かれたフライヤーや、スクリーンを見るために配置された椅子の天板にプリントされたグラフィックデザインもユーモアがあり完成度が高く、様々に角度から鑑賞者の心に「EGG」の印象を残させることに成功した作品だ。

教授・佐野 研二郎、非常勤講師・榮 良太、非常勤講師・小杉 幸一