意識のピント
宮田 陵平
作者によるコメント
髪の毛を払おうとしたらシャーペンで書かれた線だったという経験は、誰しも一度はあるのではないでしょうか。そのとき、髪の毛だと思って見ていた線と、シャーペンで書かれたものだと分かってから見た線とでは、同じ線でも見え方が全く異なると思います。このように、見るという行為は意識や認識の仕方を変えることで全く異なる体験に変わるのです。今回は、この『意識を変えてものを見る』ということをテーマにした作品群を制作しました。
担当教員によるコメント
宮田陵平は一貫して「新しい物の見方」ということをテーマに、多くの人が本当は気付いているかもしれないけれど、面倒くさいから考えずにいるようなことを丁寧に捉え続け、膨大な試行錯誤を繰り返してきた。毎週新しい視点の在り方に挑戦をするというのは、容易なことではない。特に人間の知覚特性を扱おうとすると「人によっては理解できない」ということが頻繁に起こるため、そのトライアルのほとんどは失敗に終わる。このような、宮田による執念深い蓄積の成果が本作品『意識のピント』だ。映像を基盤としたこれらの作品群は、私たちが普段生活していく中で前提としてるものを軽やかに裏切り、乗り越え、独自の表現スタイルに遂にたどり着いた。
教授・中村 勇吾、講師・菅 俊一
- 作品名意識のピント
- 作家名宮田 陵平
- 作品情報映像、画像、文章、ポスター、インスタレーション
技法・素材:モニター、紙、スチレンボード、Premiere Pro、After Effects、openFrameworks
サイズ:H2000×W6000×D2000mm - 学科・専攻・コース
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