new nature

下大沢 駿

担当教員によるコメント

下大沢君は彼が暮らす「ニュータウン」という日常の生活空間を世界の縮図と捉え、都市と自然、あるいは社会と個をテーマに定め、制作を重ねてきた。人体をモティーフに、都市の象徴としてのコンクリートを素材にした作品から始まり、実験的な手法を試みる事で表現の幅を広げてきた。この卒業作品は彼の住む港北ニュータウンの緑道、彼の言う「作られた自然」の一画に立つ白樫の木を陶土で作り、焼成後その内側にモルタルを流し込んで制作された。陶片は不要な気もするが、彫刻に対する熱意がもたらした力強い秀作である。「ニュータウン」というテーマからの卒業記念樹のようにも思える。

教授・村井 進吾