somewhere between us

鶴見 朋世

担当教員によるコメント

浮き糸の緩やかな線、きらめく質感、曇りガラスのような透光性、揺らめくストライプ。静と動の異なる織布が響き合う。その造形的な魅力にまず目がとまるが、やがてタイトルから思索的な部分へ想像が膨らむだろう。人は同じものを見ても「生きてきた時間と共に構築されたフィルター」越しにそれぞれが違うものを見ている、それでも人は対話を切望していると鶴見は書き記している。幼少から思春期をアメリカで過ごし、オランダへ短期留学した経験が背景の一つとしてあるだろう。異文化にさらされ全身で感受したものが重ねられていると思う。全く異なる布をどのように融合させるか、毎日遅くまで苦心していた彼女のひたむきな姿を今、思い返すと、他者との間に対話を希求する私達の姿が重なってくる。

教授・川井 由夏