strand

鴇田 芽依子

担当教員によるコメント

自分が見た夢を表現したいとプレゼンがあった。卒業制作で、夢をカタチにできればいい。初期のスケッチは本当に夢の中にいるようで、綺麗だった。ぼんやりしていたが徐々に形がうまれ、本人しかわからないイメージが、他人に伝わりはじめる。「実際どうつくる?」この問いを、予定に反映させ、計画の全貌が見えはじめる。「布の技術表現だけで終わらせたくない」とも言う。複雑な工程があり前例もない。まるで未踏の山登りだなと、本人と話した。登ったことのない山へ、黙々と一人で歩み続ける姿勢は、そう、鎖(strand)のようでもあり、同級生へも影響していた様に思う。「夢」を迫力のある作品として描き出せたのは、大学での学びを十分に習得しただけでなく、本人の意志の強さの証でもある。次はだれの夢を描くのだろうか。

教授・藤原 大