逍遙する建築史 20世紀建築資料アーカイヴ

木田 朱音

作者によるコメント

自分の求める情報が難なく手に入る時代。それは「私」の拡張であり、そこには常に「私」が介入している。それは可能性を手の届く範囲に留めている。自分の求めない情報に出会える空間で、「私」を失った目で物事を見ることができたら、可能性を際限なく広げることができるのではないだろうか。

担当教員によるコメント

20世紀建築を展示するミュージアムであるが、その展示方法の提案が興味深い。ここには順路がなく20世紀建築が対等に、時代順に整然と並ぶことで、まさに逍遥するように巡ることができる。辞書や事典を使うとき、探していた項目にたどりつくとその周囲の項目にも目が行くことがよくある。いきなり目的に到達するWEB上の検索とは異なり、ページをパラパラとめくり、連鎖的に興味を広げていく楽しさを意識している。極めて巨大な施設であるが、一度にすべてを見るのではないのは一気に事典を読破することがないのと同じで、さまざまな視点で何度でもアクセスできる施設になっている。展示方法が持つ均質さに合わせた抑制された美しいデザインとしてまとめているところも評価できる。

教授・岸本 章

作品動画

  • 作品名
    逍遙する建築史 20世紀建築資料アーカイヴ
  • 作家名
    木田 朱音
  • 作品情報
    建築設計
    計画地:新海面処分場が埋め立て終わった先の新たな埋立地
    1:200模型 H100×W841×D594mm
    1:1000模型 H50×W841×D594mm
  • 学科・専攻・コース