×α 〜人の潜在的な感性を引き出す建築〜

式守 一史

担当教員によるコメント

これは、代々木公園の角地に建つ「人の潜在的な感性を引き出す新たなアートプレイス」の設計提案である。従来アートを体験できる空間としては美術館が想像される。人はアートを体験した時、詩を創作したり音楽が浮かんだりと、その作品や空間からより多くのイメージの広がりを感じるに違いない。作者はこのことに注目し、訪れる人が自由にアートや音楽や本などの展示空間を逍遙することで、五感に触れる体験のできる建築を設計した。L字の壁が規則的に配置されていることが、構造的かつ建築的な特徴である。この壁は空間を囲う役割と開放する役割を担っている。空間構成が伸びやかで、代々木公園をうまく採り込んだ配置計画を高く評価した。

教授・田淵 諭