その肌に刻む
平田 英
作者によるコメント
私は刺青が好きです。だからといって将来性を考えると入れたいとは思いません。しかし刺青が大好きです。そんな両極端な思いをも織り交ぜながら刺青の魅力を伝えるために制作しました。刺青を入れるということは、犠牲を払ってでもやりたいことを叶えられる力を持っている。自分で自分を抱きしめられる。その自信の光は他者をも勇気付ける。という自己解釈のもと、オリジナルの刺青絵を、自身の一生に当て嵌め表現しました。その他刺青にまつわる意味や歴史、ここまでに至る経緯心情全てを冊子にまとめました。
担当教員によるコメント
作者の平田 英は早い段階で「刺青」をテーマに決めた。しかしそこからの道のりが長かった。最初は肉体に絵を刺すという行為に着目し、羊毛フェルトに針を刺しその絵を再現した。しかし平田が伝えたかったのは、もっと広くて深い刺青であった。そこで平田は刺青の歴史的背景を徹底的に調べ、日本人が感じる様々な感情の考察もまとめ展示する。それでも平田は悩んだ。自分は本当に伝えたいものは何か、そして気づく。自分は刺青がこんなにも好きなのに、自分の肌には刻まないと決めている。その片想いにも似た複雑な感情。最終的には、自分の刺青への想いを、自身をモデルにして人の一生にあわせて表現した。平田が悩んで表現した「刺青への愛」は、確実に伝わりその切なさに共感した。
教授・宮崎 光弘
- 作品名その肌に刻む
- 作家名平田 英
- 作品情報平面(写真、イラスト) 冊子
技法・素材:アルミ棒、クロス、和紙、糸、羊毛フェルト、トレーシングペーパー、Illustrator、Photoshop、InDesign
サイズ:H2000×W4000mm - 学科・専攻・コース
- カテゴリー