ならびアニメ, 並べた3つの映像を1つの組作品とする、新しい映像体験への試み

林 昭榮

作者によるコメント

「ならびアニメ」は、3つのアニメーションから構成されるインスタレーション作品です。"奥行き方向に3つ、映像を並べる" という作品フォーマットを考案し、そのフォーマットに適したアニメーション表現やメディアの扱い方を追求しました。並べた3つのアニメーションを、物理的または構造的に関連付けることで、1つの組作品として成立するように制作しました。

担当教員によるコメント

林はこれまで作品制作を通じて、レイヤー(層)という概念を深く考えてきた。この概念を表現で扱う場合、その多くは、層同士がどのように関係するかをデザインすることになるが、林はそのようなアプローチとは異なり、層の存在自体を手がかりとして、その間にあるものを鑑賞者に想像させるというアプローチを取っている。
制作されたのはアニメーションだが、最終的に林が表現しようとしたディスプレイをまたがる風やボールや虫の動き自体は、鑑賞者の頭の中だけで生まれている。これは、適切な手がかりが設計されると私たちの頭の中で情報が繋がり、新しい意味が生まれるということを示している。
惜しむらくは、今回の作品で提示されたパターンが少ないため、この表現方法のポテンシャル自体がまだ掴みきれていないことにある。今後、機会があればこの先の可能性を示してもらいたい。

教授・中村 勇吾、講師・菅 俊一

  • 作品名
    ならびアニメ, 並べた3つの映像を1つの組作品とする、新しい映像体験への試み
  • 作家名
    林 昭榮
  • 作品情報
    技法・素材:After Effects、CLIP STUDIO PAINT
    サイズ:映像の長さ 2分(3点)、 作品のサイズ H400×W1180×D400mm(3点)
  • 学科・専攻・コース