卒業制作優秀作品集2020
統合デザイン学科

相澤 遥奈子

Iroai palette
偶然意図しない色が生まれる事を楽しむパレットのデザイン

技法・素材:PET
サイズ:H170×W170×D5mm(3種)

私は今回、卒業制作に向けて「Iroai palette」という色の新しい出会い(色逢い)を発見し、偶然意図しない色が生まれる事を楽しむパレットのデザインを考えました。3色の絵の具、3種類のパレットから生まれる子ども達の多様性を制作過程の痕跡とともに視覚化し、その差異を展示で発見して楽しんでいただけたら幸いです。また、今回、卒業・修了制作展で展示をするにあたり、中町幼稚園様の年長さんにご協力いただきました。

担当教員によるコメント

絵画制作において通常、主役はかかれた作品そのものだ。相澤は「脇役」であるパレットにこそ、描いた人の個性がでるのではないか、パレットが逆に主役になるのはどうだろう?と考えた。そこでパレットに市松や格子のパターンをつけた。プラ板に凹凸を精密につけて制作。絵の具をのせたときに色が混ざり合う部分、はっきりわかれる部分を想定してデザインとなっていて、京都の東福寺の苔庭のように明解な境界と曖昧な境界の二面性をつくることに成功している。 保育園でワークショップを何度か開き、実際こどもたちに絵をかいてもらい、描かれた絵画自体とそのパレットを対峙させてファイリングすることで、よりその子の「個性」がみえるような仕組みとなっている。ビビットな色使いをする子もいれば渋いまざりあった色使いの子もいる。それらのパレットをずらっとレイアウトする展示にたどり着いた。それは世界の国旗がならんでいる光景をみるようだ。それは相澤からの多様性のある個性へのやさしい眼差しなのだ。 卒制展ではワークショップに参加した子供たちや他の保育園の先生方やこども達もきて興味深く、近づいて楽しそうに見ていた。それをみている相澤も楽しそうに笑っていた。こんな微笑ましいコラボレーションは、なかなかないだろう。

教授・佐野 研二郎、非常勤講師・小杉 幸一、榮 良太

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