卒業制作優秀作品集2020
生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻

今村 響

家に地域らしさを加える

技法・素材:素材、技法 ABS樹脂、真鍮、アルミ、3Dプリント、レーザー加工
サイズ:Yokohama H207×W207×D24mm、Kanazawa H14×W660×D160mm、Fujinomiya H820×W520×D190mm

現代の日本では、家の姿と地域の結びつきは失われています。繰り返される新築、改築を受け入れつつも、家のどこかに地域らしさを残すことで、そこに住むからこその誇りや喜びを生み出せないかと考えました。地域に合わせた家を建てるというような大袈裟なことではなく、既存の住宅にいくつかパーツを付け加えることで、部分的に土地ならではの姿に生まれ変わらせる。人々は自分好みの家に住みながらも、そのディテールに地域らしさを感じながら暮らしていく。誰もが導入しやすく、押し付けがましくない形で地域らしい家を生み出すことができる。私は地域の名所や代表的なモチーフ、プロダクトを細かく観察し、土地ならではの形が持つDNAを抽出することで、家に地域らしさを加える物体を生み出す手法を構築しました。成果として、日本の三つの地域に基づいたアーキテクチュラル・プロダクツを提案します。

研究対象:1. 神奈川県横浜市 2. 石川県金沢市 3. 静岡県富士宮市

担当教員によるコメント

YKK AP株式会社様との産学連携プロジェクトでの提案作品です。近年の住宅事情において、効率的建築工法や部品共用など特徴のない狭小住宅等が目立つ中、実際の生活者からは、住んでいる地域にプライドを持つ “Civic Pride”という風潮も出てきている。その地域性に着目し『家に地域らしさを加える』がこの作品の主旨であり、共感性の高い地域特徴をDNAとして抽出できている事が評価された。“幾何的連続形状”が特徴の横浜市、“奥ゆかしい繊細な格子”が特徴の金沢市、象徴的自然空間が作る“たゆたい”が特徴の富士宮市、彼の現場発想と丁寧な調査分析はそれぞれのプロダクトに生命力とリアリティを与え、高いクリエイティビティーを感じさせる。今後の住宅の姿、住居のあり方に一石を投じる作品です。

教授・中田 希佳

  • prev
  • next
  • 今村 響
  • 各務 里奈
  • 宮内 光
  • 神宮 遼平
  • 髙田 ふみ
  • 川島 与実
  • 星野 弥生
  • 山本 明日香
  • 王 哲
  • Maximilian Fischer
  • 鈴木 歩

学科TOPへ