卒業制作優秀作品集2020
生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻
Maximilian Fischer
Pipe Furniture
技法・素材:紙管、クラフト紙、水糊、麻紐
切り込みにより形成された紙管の曲げ部をクラフト紙のストライプと水のりを用いて補強
作品形態:立体
サイズ:47cm x 47cm x 47cm
軽くて丈夫、そして簡単に調達できる紙管が家具づくりにおいて、木の代替素材としてもつ可能性を探求した研究。各パーツの加工と接続に水のりとクラフト紙のストライプのみを使用している。また特殊な機械や道具を必要としないため、シンプルで自然への負担がかからない製造過程が実現できている。さらに、丸みを帯びた紙管を使用した家具はこれまでになかった独特なスタイリングの可能性を発揮している。
担当教員によるコメント
マキシミリアン・フィッシャーさんの作品「pipe furniture」は、身近にある材を用いても、発想と丁寧な検証実験/つくり込みによって、新しさのあるプロダクトがつくれることがわかる好例だろう。紙管パイプに数カ所の切り込みを入れながら直角に曲げていき、その表面に紙を巻き直すことで曲がった強度のある紙管を再構築している。この特殊な紙管の構造を魅せるため、適度に隙間を持たせながら編まれた座面など、クラフト的な美しさと現代の工業的な素材とがうまくマッチしている。イスとして堅牢で軽く、暮らしの中の多くの空間にフィットできるシンプルさのある佇まいを持つプロダクトに仕上がっていると思う。
教授・濱田 芳治