MOBILITY OF AUTONOMOUS GENERATION

神宮 遼平

作者によるコメント

自動運転や電動化などの技術が出揃い、箱形の利便的なモビリティが多く登場しているが、次世代の技術によってその「形」はもっと豊かで自由になるのではないだろうか。近い将来、高い快適性を求める人は、通勤などの「移動」のためだけに完全自動運転車を所有して使う時代が到来すると考えた。自らの所有欲を満たし、豊かな移動時間を生み出すデザインが求められる。内外を通して研究を行い、1台のクルマに落とし込んだ。そのような時代のクルマの姿である。

担当教員によるコメント

作者は乗り物を移動のための道具と捉え、当初は合理的なプロダクトを提案しようと企画していた。これからの車は自動運転で移動の道具と割り切れば、それは「美しい箱」で充分である。しかし彼はデザインを進める中で、クルマの持つ他のプロダクトとは違った魅力に出会うことになる。それは性能、機能だけではない一種のメッセージ性のようなものである。後半からはそのテーマに取り組んだ。高速移動という行為のメッセージ性を外観に与えることにチャレンジした。私はその点を評価している。答えは一つではないだろう、正解はないのかもしれない。しかしカーデザイナーはその答えを提案し続けなければならないし、彼はその仕事を選んだのだ。今後もライフワークとして取り組んでほしい。

教授・田中 秀樹