卒業制作優秀作品集2020
生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻

川島 与実

車椅子使用者とその家族の暮らしをより良くする

技法・素材:ハードメープル、コーリアン、ABS樹脂
作品形態:立体
サイズ:キッチン H750×W1800×D1200mm、収納 H750×W600×D600mm、テーブル H750×W1200×D1200mm

「座る行為から生まれるユニット式キッチンダイニング ー異なる条件の人が共に暮らすことを考える—」

車いすに合わせたローキッチンとダイニングテーブルを1つにすることで、家族の座る行為を集め、コミュニケーションの中心となる空間を生み出す。3つに分かれたユニットは組み合わせ次第で様々な家族や間取りに対応する。全ての作業を座って行うことを考え、シンクとコンロ下をフリーに、テーブルの脚部や収納の配置などを設計した。事故や病気などの後遺症でハンディを背負うと家族との関係が介護する、されるに変わる。どちらかに寄り添うと片方には使いづらく、結局気まずさや遠慮が残ってしまうことが多いのではないか。そんな関係性を変えたくて”異なる条件の家族が共に暮らす”ということをもう一度考えてみた。ただ便利にするのではなくて、その先でなにができるかを想像したときに、家の中に溢れるのは遠慮ではなく笑顔であってほしいと思う。

担当教員によるコメント

対象者とその周囲にある課題の発見と理解、コンセプトから最終提案へ矛盾なく導いたプロセスを高く評価した作品である。丁寧な取材と、自ら当事者の暮らしを体験することを繰り返し、半身が麻痺した対象者と食を通じた家族との関係について深く考察している。単に調理手順の効率や身体の不自由さをカバーすることだけを目指したのではない。作者が目指したのは、人生の中に起きた変化を受け止め、家族との関係性が途切れないキッチンなのであり、家族の物語の中に存在するプロダクトのありようなのである。細やかな視点で選び抜いた造形は従来とは明らかに異なるものの、一見したところ派手な特徴はないように見える。それは、暮らしと共にあるデザインが目指す最高の姿ではないだろうか。

教授・大橋 由三子

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