『花と額縁』卒業制作 舞踊公演

西山 泰斗

担当教員によるコメント

「名前は泰斗、西山、、泰斗」
悩み多き若者たちはある指導者を選び授業を選択した。作品を作ること自体がわからない彼女彼らは、無表情に私の前に立ち尽くしていた。それはほぼ2年前の春である。西山泰斗君にふれながら振り返ってみる。自分の独自性とは?この疑問は誰でも持つし、そんなものは無意味だと言う者もいる。しかし私は独自性とは何かを思考すること自体に意味があると考える。基礎を徹底して学んだのちにしか得られないこと。故に学生に与えるこの困難は無駄ではない。困難、それを受け入れる時にこそ、その人独特の発見がある。困難が人の特徴を見出す。追い詰められ辛い時にこそ、密やかな予感に気づくなら乗り越えることができる。容易さへの注意は浅く、課題はいつまでも繰り返される。蓄積は膨れ上がり手に負えなくなり息苦しい巨大なものになってしまう。西山泰斗君は後がない土俵際のギリギリのタイミングで長年の困難を乗り越えた。困難が与えてくれるチャンス、困難から逃げずに得たなにか、様々な意味での「力」。地道な環境での「想像性」という「生きる基盤」を得たと私は願いたい。ひとりに限らず課題に向かった仲間、少しだけ向かうタイミングがずれた仲間も含めて全員に願い期待したい。「困難を解決する地道な想像力」、そして入学時に一番初めに告げた「卒業時には自分の考えや思いを自分の言葉で話せるようになろう」という言葉を繰り返して、卒業制作を履修登録した他の4年生全員に向けた私の挨拶にします。失敗をするのが生きること、失望は親友。自分も他人も見捨てないこと、そういう人に必ず見知らぬ誰かは共感します。良いことを自分のものだけにせずに他人に渡しましょう。これからの新たな空っぽに向かってがんばって。
「泰斗君、いい作品になったし、いいダンスでした。」

教授・勅使川原 三郎

作品情報

期間:2020年1月24日(金)~26日(日)
会場:多摩美術大学 上野毛キャンパス 演劇舞踊スタジオA
舞踊(16分)

演劇舞踊デザイン学科の卒業制作について

演劇舞踊デザイン学科は、感性豊かな身体の表現者、創意豊かな空間を演出するデザイナー等の育成を目的とした学科です。それらの専門性から演劇舞踊コースと、劇場美術デザインコースを設けカリキュラムを展開しています。 卒業制作は、学びの集大成として、演劇公演、舞踊公演、映像美術作品展を企画制作します。演劇公演、舞踊公演は、両コースの専門ゼミのコラボレーションによる取組みです。

卒業制作 演劇公演
演劇舞踊コース・演劇ゼミ/劇場美術デザインコース・舞台美術ゼミ・照明ゼミ・衣裳ゼミ
2020年1月10日(金)~13日(月) 全7ステージ
東京芸術劇場シアターウエスト

卒業制作 舞踊公演
演劇舞踊コース・舞踊ゼミ/劇場美術デザインコース・照明ゼミ
2020年1月24日(金)~26日(日) 全6ステージ
多摩美術大学上野毛キャンパス 演劇舞踊スタジオA

卒業制作 映像美術ゼミ作品展
『3期生 卒業制作展』
劇場美術コース・映像美術ゼミ
2020年1月23日(木)~ 26日(日)
多摩美術大学上野毛キャンパス 3号館103実習室