Knit my home

赤間 冴江子

作者によるコメント

部屋を、他者と共有する時間を象徴する物と捉え、
地道に編み進めていく行為を、他者と積み重ねていく時間に例えて、
昔から家にある馴染みのある家具をモチーフに、毛糸で立体を編み服を製作した。
それを自身が着用することで、homeの愛おしさや尊さ、煩わしさ、homeに対する感謝を表現しようと考えた。

担当教員によるコメント

赤間冴江子は、自身の元々持つ美しさへの審美眼。微細な色の差や形のフォルムの良し悪しを見分ける感性。物事を正面から捉えようとする正直な生活者としての思考性。彼女にとってそれらがベースとなり、制作とは作品を通して自己との対話をするという事であり、自己確認の作業でもあるのではないか?ニットを自分の手で編み、形を作り上げていく作業は、古の人が草や藁を使い、生活道具を作る事と同じ、プリミティブな行為で、卒業制作でこの様な作品にした理由が、なんとなく分かる気がする。家具を服として着れる。という発想から、プロダクトを作り、写真を撮影し世界観を作る。この制作において妥協の無い姿勢は今後の制作活動に大きな意味を持つと思う。

准教授・平野 篤史