色を媒体とした対話ツール

占部 とわこ

作者によるコメント

私は幼い頃から無意識下で物事と色を結びつける傾向がありました。そこで私の研究コンセプトとなったのは【自分の中の価値観と経験を色で表現し他者と共有する】です。友人たちの協力のもとに行った様々な実験の中で、一人ひとりが赤・黄・青などの特定の色に対して抱いている印象は、当人の価値観や過去に経験したことが結びついている可能性が高いということがわかりました。この仕組みを生かし、「特定の物事に対して色を連想し、その色を連想した理由について対話を広げる」というシステムを取るカード式対話ツールを製作しました。この対話ツールを使用して、自分や相手の経験について話し理解する面白さ・色を扱うことの面白さを知ってもらうことが最終的な目的となっています。

担当教員によるコメント

卒業制作の目標のひとつには、自分の興味関心を手掛かりにそのモノ•コトへの魅力や価値をデザインによって人々に伝えていくことにあります。この作品は誰もが日常生活で関わりをもつ「色」をテーマに制作され、作者本人の幼少の頃からの色への関心に着目してデザインされたものです。日常の様々な経験の中で、人は色に対してどのような印象やイメージを持っているのか…。カードを手に他者との対話を通して、その違いや意外性、そして発見や共感が生まれていきます。この作品は色という普段の経験の中に深い関わりがあるにもかかわらず、意識していなかった個人的な色の意味を語り合うことで、生活における色の関係性や価値に気づきをもたらし、新しい色の世界へと誘ってくれます。

教授・植村 朋弘

作品動画

  • 作品名
    色を媒体とした対話ツール
  • 作家名
    占部 とわこ
  • 作品情報
    立体
    技法・素材:トランプ用紙、木製ビーズ、エナメル合皮、Illustrator
    サイズ:カードサイズ=H89×W58mm
    カード印刷:株式会社田中紙工
    動画に使用した楽曲:こばっと様『元気いっぱい!』
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