BRIGHTNESS

東浦 菜央

作者によるコメント

葉っぱに透ける太陽の光、夕焼けの淡い空、地面に落ちる紫の影。そういった外の光の「眩さ」に、私はいつも目を奪われている。変わることのないその美しさを、私は、自分の手で作り手元に残したいと制作に励むようになった。
卒業制作では、優しく純粋なイメージを持つ卵をモチーフに選び、「生きものの目から見える世界の光」を閉じ込めた。外の光の眩さが私に与えてくれるのと同じように、誰かにとって癒しを与えられるようなものを作れていたら良いなと思う。

担当教員によるコメント

作者はキレイなものを集めたいという純心な願いを唱え続けてきた。そのきっかけになったのは、コロナ禍のさなかに自宅で過ごすこどもたちのことを想って、自宅で遊べる積み木遊びを考えたときのことだった。その積み木には、自然が見せてくれる色彩が封じ込められていた。卒業制作においては、動物の眼から得られる視点を設定して、卵のケースにそこから見える色彩を封じ込めた。キレイなものへの自分の想いを突きつめてゆくと、さまざまな光景が思い浮かんでくるが、それらはすべて色彩に集約されることに気づくようになっていた。キレイなものに意味は必要なのだろうかという問いに、作者はずっと自問自答していたが、その問いには、かつてピカソが鳥のさえずりを例えにして答えている。

教授・森脇 裕之

  • 作品名
    BRIGHTNESS
  • 作家名
    東浦 菜央
  • 作品情報
    立体作品
    技法・素材:FRP樹脂、アクリル板、テープLED、レーザー加工機、UVプリンター
    サイズ:H450×W400×D400mm(5点)
  • 学科・専攻・コース