即興で自動演奏をするシステムの動きを実体化する試み

松島 曜一郎

作者によるコメント

ジャムセッションの奏者が仕草でコミュニケーションをとりつつ演奏している姿に着目し、ソフトウェア上で行われる自動演奏の実体化を試みました。首振りの仕組みを備えたスピーカーと自動演奏をするトイピアノを用いて制作しました。奏でるべき音の情報やリズムの伝達をし、出番や演奏のタイミングの連携をしている様子を、向き合う行為・打鍵する行為によって表しています。

担当教員によるコメント

プログラミングによって奏でられる即興演奏と、それを出力するスピーカーの動きを演奏者の仕草に見立てた音響インスタレーション作品。驚くほど自然な即興演奏は、ジャズの楽典をプログラミングすることで実現している。一見、トイピアノと複数のスピーカーだけの無骨な展示にみえる。しかし、ジャズプレイヤー同士のアイコンタクトのようにスピーカー同士が目を合わせる仕草は、プログラムによって自律的に生成されているとは思えないほどリアルでキュートだ。自動トイピアノも自作した。本物の自動ピアノ同様、鍵盤が自動で下りてピアノ自身が演奏する。ピアノソロのとき、全部のスピーカーがピアノの方を向くさまは感動的でもある。学部の卒制レベルを超えた作品に仕上がった。

教授・永原 康史

作品動画

  • 作品名
    即興で自動演奏をするシステムの動きを実体化する試み
  • 作家名
    松島 曜一郎
  • 作品情報
    サウンドインスタレーション
    技法・素材:スピーカー、トイピアノ、Arduino、ステッピングモーター、ソレノイド、MDF、Max、Logic Pro、Komplete
    サイズ:H1400×W1800×D1200mm
  • 学科・専攻・コース