今日は雨だから

三島 陽

作者によるコメント

「自然」とは形、色、大きさ、場所などに関係なく存在が許されています。また、「人」は「自然」そのものといいますが、実際のところそれら二つを分けて捉えてしまうのも事実です。そのような「人」を意識しすぎてしまって自分の存在に懐疑的になってしまう日々から、雨はそこにいる「人」の意識や行動に影響を与え、作者を「人」の意識から解放し、同時に「自然」であると思い出させます。この作品では、雨が降る日に作者の目に映る「人」を写真に撮り、一枚の写真作品と一冊の写真集を制作しました。

担当教員によるコメント

作者の三島 陽の大きなテーマは「人と自然の関係」だった。そのテーマをどう表現するか、三島は「雨」というモチーフにたどり着く。そして彼の長い研究と実験が始まった。三島は卒制が始まった4月から、最終審査会が終わり翌年3月の学外展の終了日まで、ほぼ毎日、自分が卒制に対してどんなアプローチをしたかをSlackに綴った。それを美しく製本して纏めた本も充実したものになった。そして、最終的に学外展に出品した自身で額装した一枚の写真作品と大判の写真集は、最終審査会からよりブラッシュアップされ、見事なものになっていた。三島はSlackの最後に「そしていつかまた続きが作れたらいいなと思います。」と残した。彼の卒制で始まった創作活動の旅は、一生続いていくだろう。

教授・宮崎 光弘

  • 作品名
    今日は雨だから
  • 作家名
    三島 陽
  • 作品情報
    写真、写真集、冊子
    技法・素材:モノクロ銀塩プリント、インクジェット紙、手製本(写真集=無線綴じ上製本/冊子=中綴じ)
    サイズ:写真=H1030×W824mm/写真集=H210×W262mm/冊子=H420mm×W594mm
  • 学科・専攻・コース