cell

北野 茜

作者によるコメント

ミクロとマクロを繋げるというテーマで、細胞をモチーフに製作しています。
社会と個人は一見繋がっているように感じませんが、個人の集まったものが社会であり、その延長線上に世界があります。そういった感覚に実感を持つことがこの時代に求められていると感じました。
生命の最小単位である細胞を、粒子状の絵の具で大画面に描くことで、ミクロとマクロの両立を実現させようと試みています。

担当教員によるコメント

緑色の画面は植物の細胞を思わせ、顕微鏡を覗いている様な錯覚に陥る。繋がりという形が多様になったが、作者はこの作品で、個人と社会の繋がりを表現している。個人の集まったものが社会であり、その延長上に世界がある。その感覚に実感を持つ方法としてミクロとマクロを繋げるというテーマを選択した。部分的に描き始め、進める中で流れ、大きさ、色を変化させて行く。まさにミクロから始まりマクロに繋げる方法をとっている。
生物が好きだという作者のイメージなのだろうが、非常に絵の具の色が瑞々しい。一つ一つの細胞を作る様に絵の具を置いているのが、発色の良さに繋がっているのだろう。近くで見ると、筆致も多数でモヤモヤしている所など水が流れている様に感じ、全体を見るとミクロが作った世界の総体として非常に魅力的な画面だ。

教授・宮 いつき

  • 作品名
    cell
  • 作家名
    北野 茜
  • 作品情報
    技法・素材:岩絵具、染料、水干絵具、吉祥麻紙、雲肌麻紙
    サイズ:H1820×W3640mm
  • 学科・専攻・コース