Ultimate Turismo

濱口 翔真

作者によるコメント

2040年のグランツーリスモのスタイリング提案。富裕層の新しい交通手段としてのEVで、 広い空間ではなく包み込むようなカプセル的なキャビンを考え、移動空間を所有することで得られる究極のツーリズムをデザイン。あえて分解と構成のコラージュ的な発想からスタイリングを展開していくことで移動体のフォーマルなプロポーションを見出した。ラゲッジ、キャビンの空間構成を明快に表現するテーマ原案から、エクスクルーシヴな空間構成を模索するために、究極まで構成的に割り切った形のスケッチを描き続けた。最終案では、車両前方のストレートなラゲッジと車両後方のグラマラスなキャビンの明快な立体構成による新しいプロポーションがキーとなった。

担当教員によるコメント

この作品は自動運転時代の、エクスクルーシヴなEVクーペのスタイリング提案である。自動運転EVというと「専用レーンを低速で動くガラスの箱」のイメージが強いが、作者は、それでは未来の車好きは満足しないと考えた。もっとパーソナルで快適な、航空機のファーストクラスのような自動運転EVがあっても良いのではないか?という義疑問を持ったようである。前方にラゲッジスペースを設け、室内は2シータに割り、シェーズロングを配置したインテリアデザインで、クーペとして伝統的なロングノーズ、ショートデッキレイアウトのパッケージ採用、を空力的にも進化させた流線型の有機的なフォルムで、高速で移動するラグジュアリーな空間をデザインした。

教授・田中 秀樹