大屋 仁志
(左から)生命領域-宙、生命領域-水、生命領域-土
技法・素材:エッチング、アクアチント サイズ:H900×W600mm(3枚)
自身の内面に現れる形をモチーフにし、作品から生命感を感じていただけたら嬉しいです。版画という間接的な表現だからこそ、自己の内面を表現できると考えています。銅版画特有の腐蝕技法を用いて時間をかけて制作することで、人力だけでは辿り着けない腐蝕ならではのマチエールを追求しました。銅版を自身の内面の写鏡に例え、現れるイメージが刷りという行為を通して紙上にインクという物質に変換されて出現することが自身のイメージ世界と現実をつなぐ手段だと感じて版画表現をおこなっています。
担当教員によるコメント
心の中で浮かんでは消えるイメージを、壊れないようにそっと捕まえて集めた夢の世界。漆黒に浮かびあがる言葉にできない柔らかな形達は、大屋仁志に命を与えられ、静かにそこにいる。描かれた世界に散りばめられたフォルムは、海洋生物にも植物にも見えるが、見る側の気持ちで変化する面白さがある。そのひとつひとつが現実世界の出来事から、彼の詩情豊かな感性を通じて作られたものだと思うと、それぞれの形に込められた彼の想いを読み解きたくなる気持ちにさせる。この透き通るような漆黒の表現は気の遠くなるような時間を掛け、0.8mmの銅版の中に微細な凹凸を作ることで生み出された。この作品は作者の豊かな詩情と銅版画への深い愛情が組み合わさった秀逸な作品となっている。
准教授・大矢 雅章
担当教員によるコメント
心の中で浮かんでは消えるイメージを、壊れないようにそっと捕まえて集めた夢の世界。漆黒に浮かびあがる言葉にできない柔らかな形達は、大屋仁志に命を与えられ、静かにそこにいる。描かれた世界に散りばめられたフォルムは、海洋生物にも植物にも見えるが、見る側の気持ちで変化する面白さがある。そのひとつひとつが現実世界の出来事から、彼の詩情豊かな感性を通じて作られたものだと思うと、それぞれの形に込められた彼の想いを読み解きたくなる気持ちにさせる。この透き通るような漆黒の表現は気の遠くなるような時間を掛け、0.8mmの銅版の中に微細な凹凸を作ることで生み出された。この作品は作者の豊かな詩情と銅版画への深い愛情が組み合わさった秀逸な作品となっている。
准教授・大矢 雅章