Advanced eVTOL 2045

水間 鑑

作者によるコメント

これは飛行機でも、ヘリコプターでもない、新しい空の移動体の形。自動操縦がエアモビリティへ普及した2045年にデビューした電動垂直離着陸機(eVTOL)であり、長距離高速移動を目的とした4人乗りの公共交通機関。発展途上であるeVTOLの分野の造形の提案である。昆虫や海の生き物など、自然界のフォルムやバランスをベースに、未来的なフォルムを意識している。また、飛行中だけでなく地上に降り立った時も美しい形を目指した。飛行機とヘリコプターの特徴を併せ持つ事で、より早く、遠くへ移動する手段となる。離着陸の際は主翼部分のエンジンが90°回転し、滑走路を必要としない設計となっている。

担当教員によるコメント

「空を飛ぶ乗り物」は少し前までは、プロダクトデザインの卒業制作のテーマとして、ふさわしくないと考えていた。空気力学や各種エンジニアリングについて、特に触れずに提案することは無責任だとの思いがあったからである。しかし昨今のモーターを使ったドローンなどの進化を見ると、このようなジャンルの提案も今後は可能性があると判断した。プロダクトデザインは大量生産を前提としたコストパフォーマンスばかり考えた、デザインジャンルだと誤解されると、後進は育たないだろうし、ジャンル自体の魅力を失ってしまう可能性すらある。時代は宇宙をも視野に入れている。多くのコストと時間をかけても実現したい夢は大切であり、技術や社会はそれを許してくれるのではないか?というオプティミストも必要だ。

教授・田中 秀樹

  • 作品名
    Advanced eVTOL 2045
  • 作家名
    水間 鑑
  • 作品情報
    技法・素材:素材=PLA、ケミカルウッド、アクリル/技法=3Dプリント、NCカッティング、レーザーカット
    作品形態:モビリティ
    サイズ:H180×W694×D995mm(1/16スケール)
  • 学科・専攻・コース