Re Ave. / Re Bow

宮崎 萌

作者によるコメント

北海道で生まれ育った私は上京してから東京都の自然に出会った。人工的に植えられ、落ち葉は捨てられ、根はコンクリートで固められたその姿に違和感を覚えた私は、都市と自然のバランスの取れた未来像を描くことにした。ReAve.は2040年の都市型自然循環システムである。落ち葉を人が回収しネストに充填、落ち葉の分解性質に応じてマテリアルを生成する。このマテリアルを使い、生分解性マットを構築するのが3DプリンティングロボットのReBowである。この生分解性マットは都市における落ち葉のデメリットを無くし、新しい形で都市に組み込む。ReAve/ReBowによって都市環境での生物多様性が回復、これまで産業革命で取り残されたヒトの本能を癒し、自然とヒトの関係性を最適化する。

担当教員によるコメント

産業用ロボットやヒューマノイド、今の時代のロボットテクノロジーを表面的に考察すると、インターネットテクノロジーやそこに関わるThings(事象や時間、サービス)と、ついついハイテクノロジー化された難しい存在を考えてしまいがちになる中、作者は自らの生まれ故郷:北海道と現生活拠点:東京を比較することで、地球が本来行っていくべき“呼吸(循環)”に気付いた着眼力がこの作品の全てだと評価しています。自治体の行政的問題やコストバランス等の諸問題はあるとしても、それこそ旧態依然の思考をRenewalする事で“ReAve” “ReBow” が、新たな都市の姿を形成するとこの作品を見て私は強く感じました。加えて、デザインワークを進めていくプロセス一つ一つの精度が高く、デザイナーとして社会に提案すること、貢献することに対しての高い責任感を終始感じる制作でした。

教授・中田 希佳

  • 作品名
    Re Ave. / Re Bow
  • 作家名
    宮崎 萌
  • 作品情報
    技法・素材:3Dプリント、レーザーカット、PLA、硬質アクリル系樹脂、ポリエステルパテ、MDF、Rhinoceros、Blender
    作品形態:3Dプリンティングロボット
    サイズ:H97×W220×D192mm
  • 学科・専攻・コース