みつけてアニマル

川上 梨子

作者によるコメント

自分って、友達って、どんな人だろう?
みつけてアニマルは、そんな思いにポジティブに応える小学3年生以上向けのカードゲームです。
子どもの自己理解と他者理解を進め、自分のことを相手に伝えることを目的としています。
多様な特性に気づき配慮しあうためには、幼少期から自他に目を向け、伝え合う機会が必要だと考えました。
とくせい・タイプ・アニマルの3枚のカードで自分を表現するマイアニマルを作り、お互いが選んだカードを当て合ってスターを集めるというゲームです。
ポイントは、①診断でない、②特性の有無を問わずお互いを共有できる、③小学校の教育現場で使えるの3点です。
このゲームが、より多くの人々が特性を活かして生活できる社会に近づく一助となることを望みます。

担当教員によるコメント

診断が下るほどではない自分の特性に悩んでいるという大人は多いと聞く。多様性が尊重される社会が望まれる中で、私達は自分の感じ方考え方と異なる誰かを、批判や排除ではなく、まず理解しようとしているだろうか。この作品は、小学生の段階で、そもそも人にはさまざまな違いがあることを知り、自分と友達とをカードを使いながら理解しあうというものだ。単に動物に例えるのではなく特性とタイプのカードがあることで友達の特性に対する繊細な興味を引き出し理解を促すことに成功している。生きづらさを抱える人々をなくしていくにはどの段階を最も重要なデザインの対象とすべきかを慎重に選び、小学校の教育現場に実装することを目的とした研究プロセスと完成度の高いデザインは秀逸である。

教授・大橋 由三子