造形学科・デザイン学科・映像演劇学科(社会人入学試験)
平成16年度入学試験

入学定員 造形学科―12名
入学定員 デザイン学科―35名(A日程20名、B日程15名)
入学定員 映像演劇学科―15名

入学試験科目・配点・日程
A日程
 11月22日(土)

  造形学科 絵 画―9:00〜16:10
  (12:00〜13:10は昼休み時間)
  デザイン学科 デザイン―9:00〜16:10
  (12:00〜13:10は昼休み時間)
  映像演劇学科 創 作―9:00〜16:10
  (12:00〜13:10は昼休み時間)
 11月23日(日)
  全学科 作 文―9:00〜10:00
  全学科 面 接―12:00〜16:10

B日程
 2月7日(土)

  デザイン学科 デザイン―9:00〜16:10
  (12:00〜13:10は昼休み時間)
 2月8日(日)
  デザイン学科 作 文―9:00〜10:00
  デザイン学科 面 接―12:00〜16:10

実技問題

造形学科(A日程)
絵 画(6時間)

 「与えられたモチーフを描きなさい」
モチーフ 人物
使用紙:イラストレーションボード・B2

 
デザイン学科(A日程)

デザイン(6時間)

 1. 与えられた材料を用い、立体造形または平面造形によって、あなたが思う「TOLERANCE」を表現しなさい。
 tolerance n. 1.(1)(他人の見解や行為に対する)寛容、寛大、容認(2)(偏見にとらわれない)公平さ、独断的でないものの見方 2.(…への)我慢、忍耐(以下略、小学館ランダムハウス英和大辞典より)

 2. 用紙Cに、制作した作品の解説文を書きなさい。
注意事項:立体造形作品および平面造形作品は、用紙Aおよびトーナルカラーを用いて制作し、用紙Bに固定して提出すること。
配布する材料:用紙A(ケント紙B3)・3枚/用紙B(イラストボードA3)・1枚(裏に記名票)/用紙C(原稿用紙)・1枚(記名あり)/トーナルカラー(色紙)・1袋/アイディア下書き用紙(A3)・5枚/ボール紙(カッター下敷き用)・1枚/セロテープ・1個/セメダイン・1個/スティック糊・1個

 
デザイン学科(B日程)

デザイン(6時間)

 1. 与えられた材料を用い、立体造形または平面造形によって、あなたが思う「大量生産、大量消費に対する批判」を表現しなさい。
 2. 用紙Cに、制作した作品の解説文を書きなさい。
注意事項:立体造形作品および平面造形作品は、用紙Aおよびトーナルカラーを用いて制作し、用紙Bに固定して提出すること。
配布する材料:A日程の配布材料と同じ

 
映像演劇学科(A日程)

創 作(6時間)

 この短編小説をよく読んで、続きを考えて創作しなさい。白ボードを自由に分割して、文章または絵あるいはその両方で表現しなさい。

配付冊子:モーパッサン著、高山鉄男編訳「シモンのパパ」
配付冊子:『モーパッサン短篇選』 岩波文庫

注意事項
1. ボードへの筆記用具は与えられたマーカーペンを使用すること。シャープペン、消しゴム、下書き用紙は作品には使用できません。
2. ボード裏面の、受験番号、氏名の記入は黒のマーカーペンを使用すること。

実技問題・作文・面接の出題のねらい・意図、採点のポイント

造形学科(A日程)
実技問題出題のねらい・意図

 追求する精神力と表現力をみたい。

実技問題採点のポイント
・与えられたモチーフの基本構造の把握
・色彩による表現力
・絵画的空間の把握
・個性を生かした今日的表現力

 
デザイン学科

実技問題出題のねらい・意図
A日程

 社会人として「TOLERANCE」を解釈、表現化するときに、どれだけ社会性のあるテーマで捉えるのかみたい。もちろん制作物における造形力、表現力も見る。
B日程
 社会人として「大量生産、大量消費に対する批判」を解釈、表現化するとき、どれだけ社会性あるテーマで捉えるかをみたい。
 特にこれからのデザインに対する姿勢を見取る意味もある。もちろん制作物における造形力、表現力も見る。

実技問題採点のポイント
 出題から何をテーマに制作したか?(アイデア力)
 正しくテーマに沿った造形物になっているか?(造形力)
 美しい形に完成しているか?(審美力)
 明解でわかりやすいメッセージを持っているか?(訴求力)

 
映像演劇学科

実技問題の出題のねらい・意図、採点のポイント

 映像演劇学科は映像表現、身体表現、空間表現の3つの分野での、独創的な表現者とそれらの表現を支える者を育てることを目標にしています。そのために、カリキュラムは学生の創作と技術的な訓練そして理論研究の三本柱で構成されています。従って、これに対応できる発想力、思考力、そして目的意識を持った積極的な姿勢が求められます。

創 作…今年度は作品の材料として「短編小説」「ボード」「5色のマーカーペン」を与えた。小説の内容をよく読み込んで、そこで感じたこと考えたことをもとに、その後の物語を自由に創作し自分なりの方法で平面作品として提出させた。小説から何を受け取って、そこからどんな発想をしてどう展開させたか。個性ある作品としていかにまとめあげたかを評価した。定められた時間のなかで課題と格闘しながら、どう自分を表現するか、その意欲の有無も採点のひとつの手がかりとした。

作文

造形学科
 次の題について、400字以内で書きなさい。
題:「絵画でできること」

デザイン学科
A日程
 次の題について、400字以内で書きなさい。
題:「あなたにとっての社会とデザイン」

B日程
 次の題について、400字以内で書きなさい。
題:「デザインの功罪について」

映像演劇学科
 次の題について、400字以内で書きなさい。
題:「自分の魅力」

作文・面接の出題のねらい・意図、採点のポイント

 社会人入学試験は一般入学試験と趣をまったく異にするが、それは現役学生と同じ基準で知識の試験をするのは適当でないとする前提に基づいている。一般学生に比べ社会人には豊富な経験が備わっており、しかも制約の多い生活をおくりながら入学を志望するには、それ相応の覚悟がある。それを優先的に評価しようという認識である。
 このような前提に基づき、各学科と共通教育の教員とで相談・検討の上、受験する領域にもっともふさわしい作文のテーマが決定される。自分の意見を記述するのに必要な漢字の知識、論理の組立等も審査の対象になるが、それと同時に受験者の独自性・個性・将来性等が審査基準となる。また面接は複数の教員立ち会いのもとで行われるが、内容は一般的な質問、自分の作文についての質問、パフォーマンスと学科によってさまざまである。なおこの試験の性格から、社会人ならではの資質が問われることは間違いない。