TAMABI NEWS 74号(上野毛キャンパス特集)|多摩美術大学
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9エチュードのお題は『古代遊園地があったとしたら』。全員で、モチーフからイメージしたことを体・声・⾳・表 情・ことばを使って表現し、意⾒を被せ合いながら、完成イメージを固めていく。棒をこう動 かせば ⾯⽩いんじゃない?分かれて、エチュード(即興劇)を⾏いました。チーム内にはプロも加わり、全 体の流れをサポートします。こうい っ た グ ル ー プ作業では、⾃ 然とがち。でも、要 所にサポートが⼊ることで、全 員が⽚寄りなく参加するように調整されます。動きながら合致するイメージを探し出そうとするチーム、思い浮かんだことを共有しながら固めていこうとするチームなど、⽅ 法はそれぞれですが、次 第⾝体に対する意識を持つ⼩澤千冬さん 他校と⽐べて最も実技が充実してい たことと、野⽥先⽣のお芝居を観て「この⼈から教わりたい」と強く感じたことが志望動機です。でも、プロの⽅々のサポートなど、ここまで丁寧に教えて頂けるとは思っていませんでした。⾃分の⾝体をクリアにするという意識はなかったので、今後は意識していきたいです。次は、基 礎を⽣かして取り組む実践編です。10名程度の4チームに先導役が決まってくるなど個々の役割が固まり桜が倒れないよう、 根をしっかり⽀えてに各グループの⽅向性が決まっていきます。 途中、野⽥教授のアドバイスや演出が⼊ると、動きの⾯⽩さが増したり、個 々の動きがクリアになるなどして、⼀ 気に表現がわかりやすくなります。⾝体を動かしながら体得できるのは、実 習ならではの強み。演劇舞踊コースではこれを重視し、毎⽇3時間⾝体を動かすカリキュラムが組まれていることも⼤きな特⻑です。野⽥教授が、「それ、なかなか⾯⽩いね」と⾜を⽌める瞬間がありました。実は野⽥教授がプロデュースする舞台で、学⽣のアイデアが⽣かされたりすることもあるのだそう。学⽣とプロ俳優が互いに刺激し合って、新野⽥秀樹(演劇舞踊デザイン学科教授) 劇作家・演出家・役者。東京芸術劇場芸術監督。1976 年、東京⼤学在学中に「劇団夢の遊眠社」結成。1993 年、演劇企画制作会社「NODA・MAP」設⽴。歌舞伎やオペラの脚本・演出を⼿掛けるほか、海外の演劇⼈との創作・上演を精⼒的に⾏う。⼿⾜の伸ばし⽅、棒の持ち⽅ひとつで印象は変わり、観る⼈への説得⼒が変わってしまう。細かな動きや表情を変えてみるなどして、何度も繰り返し試しながら形を作っていった。演 劇と舞 踊を⼀ 緒に学べる⻑岡ありささん ずっと新体操をやってきたのですが、もっと⾃分の個性を活かしたいと思い、舞踊コースのある多摩美に来ました。著名な先⽣⽅に演技とダンスの両⽅を直接指導してもらえて、⾃分の表現の幅が広がるのを実感しています。将来は、ソロのダンサーとして、新しいジャンルのダンスを⽣み出したいです。しい表現を⽣み出すライブ感がありました。 最後に各チーム発表を⾏い、評 価やアドバイスを得て、本 授 業は終了です。学⽣たちは今回の授業を通して、 「観る⼈を意識して、動きを意味づける」という表現者の姿勢を、⾝体を使って学びました。 演劇舞踊コースでは、1 ・2 年 次の基礎課程を終えると専⾨課程に⼊ります。演劇と舞踊のどちらかを選択して、より⾼度な⼼⾝の技術を学ぶほか、劇場美術コースと共に、⾃分たちの⼒で公演を⾏う上演制作演習を⾏います。実践的な経験を積み、学 外で発表する卒業制作を⽬指すのです。花びら舞う桜の⼤⽊から古代の遊園地にシーンが移る。動きの⾯⽩さを追求したチーム、遊具の楽しさを表現したチーム、ストーリー に仕 ⽴てたチ ームなど、それぞれの作品に仕上がった。失敗を考えない! ためらわないでGO!プロの指導で未熟さを痛感藪⽥凜さん ⼩学⽣の頃から、地域の演劇団体や学校の演劇部に所属し、経験だけは⻑かったのですが、⼤学の授業でプロの指導を受けると、⾃分の未熟さを痛感することになりました。特に、野⽥先⽣には付け焼き刃の演技はすぐに⾒透かされます。将来、野⽥先⽣の舞台に⽴つことを⽬標に毎⽇頑張っています。実践

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