TAMABI NEWS 79号(課題発見力・漫画家特集)|多摩美術大学
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多摩美生の声早稲田大生の声 企業との連携事例 2018.05〜2018.09│連携学科=情報デザイン〈永原康史教授、山辺真幸非常勤講師〉TOPIC5昨年実施された連携講座に参加しました。それまで課題設定からプレゼン発表に至るまで一人でやり遂げるのが当たり前だったこともあり、最初は異分野の学生との協働そのものに、違和感しかありませんでした。でも途中で安次富先生に「デザイナーの仕事はチームの中核となってデザインの力で伝えることだ」とアドバイスされ意識して努めたところ、だんだん調和されてチームが出来上がっていきました。最終的には投資家の方たちの前でプレゼンをしたほか、ラジオの人気番組で著名人を前に発表したり、早稲田大学商議員フォーラムに招かれるといった経験も。予想以上の成果を得ました。就活時、この時得た学びと成果を履歴書に書こうとして、あり過ぎて書ききれずがくぜんとしましたが(笑)、整理して臨んだ結果、希望した企業は全て書類審査が通りました。その後、望んだメーカーから内定を頂くこともできました。改めて、社会から得た評価を実感しています。私たちは何かを作ろうとイメージしても、まず材料の質を考えたり、CADソフトできちんと設計するところから入ったりと、難しく考えがちですが、多摩美の学生は速やかに絵にし、プロトタイプも1日で形にする。思考のプロセスや言葉を具現化する力を感じました。多摩美生の具現化するスピードに圧倒創造理工学部4年細倉結衣さん意見交換中、多摩美の学生がカッターでササッとプロトタイプを作り上げたのには驚きました。手を動かしながら考えを練り上げ、そこからアイデアを広げていくプロセスが新鮮でした。将来起業したとき、どこかで協業の機会があるかもと期待しています。将来の、協業の可能性に期待商学部3年須永悟隆さん美大の、思考の柔軟性や視点に触れたくて参加しました。イメージを絵や形にすることでアイデアが広がることを知り、特別講座で企業の開発現場におけるデザイン思考の重要性を学んだことで、エンジニアとしてのコミュニケーションの取り方がイメージできました。多摩美に教わったアイデアの広げ方基幹理工学部4年清水南良さんモノとヒトとの関係性から考える私たちに対し、早稲田の学生は、実際に商品化された状況を想定してアイデアを展開させます。思考プロセスが大きく異なり正直当初は■藤がありましたが、回ごとに互いを理解し、相乗効果を生みながら進行する過程が刺激的です。思考プロセスの差を実感プロダクトデザイン3年谷川原結衣さんプロダクトデザイン4年西川佑樹さんそれらの評価を経て、今年も連携講座が実現。昨年に続き、今回も多摩美の学生を含む混合チームが6グループ作られ、「学生生活をより良くする“紙”の提案」をテーマに新ビジネス案を探りました。今年は昨年のカリキュラムに加え、主に早稲田の学生を対象とした安次富隆先生の特別講座「ビジュアライゼーション・テクニックを学ぶ」が行われ、「プロトタイプを作る上で、絵はコミュニケーションの方法の一つ。画力やセンスは問題ではない」ことを伝授。「相手に伝えることを目的とした絵の描き方、柔軟な思考や視点によるアイデアの広げ方」を実践的に教えることで学生たちの発想や手段の幅を広げるなど、多摩美の学生が備えているスキルを共有することで、より専門性の高い講座内容となりました。「デザイナーの力が生かされる現場は、目に見える表現力が求められる所に限りません。多摩美の学生は普段から課題を制作する過程において、何かを生み出す環境の大切さや相手に“伝える”ということへの思考が鍛えられているので、チームの雰囲気づくりや経過報告レポートにしても、何も教えなくても、無自覚のうちに実践できていましたね。これも、課題解決へと導くための重要要な力力ですす((安次富先生))」。」。表彰式にはBeverly本人も登場し、学生に直接最優秀賞が手渡された。投資家や企業幹部、著名人の前でもプレゼンデザインによるデータ活用の促進に期待予約/顧客管理サービス「トレタ」から提供された飲食領域のビッグデータを用いて行われた「データビジュアライゼーション」の授業で、普段なかなか取り扱うことができない複雑なビッグデータをプログラミングでどう表現するかという課題に取り組みました。学生は完成した作品から飲食業界の予約データにおける意外な特徴を発見するなど、データ活用の新たな可能性を感じさせました。将来的に、飲食業界におけるデータ活用の促進や効率的な経営の実現が期待されています。可視化し、存在しないサービスを提案する発想力は、ビジネス創出の第一歩。いま、国内外の企業が「ゼロからイチを生み出す」力を求めています。ビッグデータを デザインで可視化トレタデータサイエンス 研究所る発想力人々が見過ごしがちな情報に着目し、まだ誰にも気づかれていない課題を

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