TAMABI NEWS 79号(課題発見力・漫画家特集)|多摩美術大学
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海外協定校との連携事例 2006.09〜│連携学科=プロダクトデザイン〈和田達也教授〉TOPIC9横須賀市での取り組みをYahoo!トピックス、東京新聞、NHKなどが紹介「やとみちプロジェクト」の一環で、矢野さんほか小松勁太さん、溝口ひかるさん(18年卒)が取り組んだ「やとみち民家リノベーション」。築50年ほどの空き家を、業者に頼らず自分たちで居間の畳をフローリングに替え、映像スクリーンや展示棚を設置するなど、後輩や知人、近隣住民らの力を借りて改装しました。このプロジェクトはYahoo!トピックス、横須賀経済新聞、神奈川新聞、東京新聞などで取り上げられ、NHKの首都圏ネットワークでも紹介されるなど、注目を集めました。2016年度はタイ・チェンマイに焦点を当て、タイ全土の大学から選抜された学生らも参加して3ヵ国の学生 がアイデアを出し合いました。各自がフィールドトリップで得たアイデアや素材を生かしたプロジェクトを提案。タイの水路を汚染するとして環境問題になっていた植物 「ウォーターヒヤシンス」の繊維を利用して、タイの伝統工芸の技術で作った椅子などを制作しました。最終報告会には、タイの駐日大使も訪れるなど、注目を集めました。これらの作品は、今年9月に東京ミッドタウン・デザインハブで行われた「ゼミ展」でも展示。慶應大生に、上述の環境問題やタイの竹製帽子の技術に着想を得た「ラウンジチェア」を説明するプロダクトデザイン4年・西村海里さん「飫肥まちなみ再生プロジェクト」2018.09〜2019.01 旧城下町、日南市飫肥のまちなみ再生をテーマに掲げ、フィールドワークや地元の高校生とのワークショップ、ディスカッションを通してまちの課題を探りました。人口が減少し市内でも有数の空き家増加エリア「谷戸(やと)」 で、空き家を利用したに拠点生活を提案。天井から吊り下げられたランプは、工芸学科の学生が手掛けたもの。「まちだ・環境の近未来」2018.05〜06 3年生全84名が参加し、「町田市の近未来の環境のあるべき姿」を提案。町田市が持つポテンシャルの掘り起こしから魅力を探り、「町田に住む人が誇りを持てるような、町田に来る人が住んでみたくなるような環境デザイン」を提案しました。「ならまちプロジェクト」2018.04〜06 古い町家や由緒ある寺院と新しい住宅が交錯する「ならまち」。文化財として保存されている家や美しく維持された老舗店舗が点在する一方、多くは一般の住宅地であるだけでなく、空き地の増加など問題も起きています。現地調査を通して、住民にとっても観光客にとっても過ごしやすい美しい町を探り、提案しました。2016年度に参加した学生たちは、タイでのフィールドトリップから、ウォーターヒヤシンスが水路に与える汚染を理解。一方で、地元の帽子職人から伝統と技術を学び、掛け合わせたことで、新たな価値を構築しました。上記チェアも西村さんの作品。日南市町田市奈良市汚染源から伝統工芸を継承する椅子にパシフィック・リムは、本学がアメリカの協定校であるアートセンター・カレッジ・オブ・デザインと2006年から実施している国際協働教育プロジェクトです。毎年両校各10名の学生が参加し、環境保護や自然災害、伝統工芸などグローバルかつローカルなテーマを取り上げ、デザインが果たすべき役割について探究し、革新的な解決案を提示することを目指します。歴史や文化、地理的な特徴など、あらゆる側面からその地域の価値を見直すことで、課題を魅力に変え、再構築する力が評価されています。タイ伝統工芸の技術を 生かした家具で 環境問題を解決パシフィック・リム出す力日本や世界の地域が抱える、環境問題や人口減少といった社会的課題。の提案

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