TAMABI NEWS 81号(ゼロからイチの発想力特集)|多摩美術大学
3/16

3深澤教授が「Without Thought」プロジェクトの中で考案したものを、無印良品が2000年に商品化した『壁掛式CDプレーヤー』。無印良品のプロダクトデザインのアドバイザリーボードに就任するきっかけとなった作品だ。ナチュラルな木肌を生かし、無駄を削ぎ落としたシンプルなデザインの『HIROSHIMA アームチェア』は、広島県に本社を置く日本屈指の老舗家具メーカー「マルニ木工」と深澤教授の出会いによって誕生。2017年に完成したアップルの新社屋「アップル・パーク」に数千脚が導入されたことでも話題を呼んだ。プロダクトデザイナー深澤 直人 (統合デザイン学科教授・学科長)80年プロダクトデザイン卒2003年の発売以来、ビニールで作られた折りたためる花瓶としてロングセラーとなっているD-BROS『フラワーベース』。“割れない”という機能性だけではなく、そのデザイン性の高さでも人気を呼んでいる。2019年に発表された18シリーズ目は、繊細なガラス細工をテーマにデザインされた「Vidro(ビードロ)」シリーズ。水を入れると表側と裏側に描かれた線が交差して、美しいらせん模様に変化。揺らめく線が、不思議な模様を作り出す。昔の金魚鉢やおはじきなどをイメージさせ、懐かしさも感じさせるようなデザインとなっている。無印良品「壁掛式CDプレーヤー」(2000年) 撮影=佐々木英豊D-BROS フラワーベース「Hope Forever Blossoming」マルニ木工 「HIROSHIMA アームチェア」 (2008年) 撮影=川部米応※株式会社野村総合研究所 2015年12月02日ニュースリリースより10〜20年後に、日本の労働人口の約49%が人工知能やロボットで代替可能になる(野村総合研究所※)といわれる中、AIに淘汰されにくい創造的な力を生かしたクリエイターの仕事が注目を集めています。既成概念にとらわれず、独自の視点や発想力で新しい価値を生み出してきた卒業生たちの活躍を通して、多摩美らしさの一つである「発想力」を、作品や最新の事例とともにご紹介します。KIGIアートディレクター/クリエイティブディレクター植原 亮輔97年染織デザイン卒(※現・テキスタイルデザイン)花瓶=ガラス・陶器の枠から抜け出した花瓶=ガラス・陶器の枠から抜け出した “割れない” フラワーベース “割れない” 「フラワーベース」CDプレーヤーの新しいあり方を示したCDプレーヤーの新しいあり方を示した壁掛式CDプレーヤー 「壁掛式CDプレーヤー」 世界の定番を目指した世界の定番を目指したHIROSHIMA アームチェア 「HIROSHIMA アームチェア」AI時代に勝ち残るAI時代に勝ち残るゼロからイチの発想力ゼロからイチの発想力

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る