TAMABI NEWS 86号(2020年度受賞ラッシュ特集)|多摩美術大学
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外観5階から中庭をのぞむ居室に設置された勉強机・ベッドは折りたたみ収納が可能。広いスペースを確保できる「選抜展」の展示風景「多摩美の版画、50年」展の様子河井あかりさんの作品:信頼されると期待に応えたくなるという実証実験の結果から家族向けのアプリを開発た9学科・専攻・コースです。今年度も実施学科合同で選抜作品をアートテークに展示する「選抜展」を開催したほか、感染症対策を施しながら公開講評会なども行いました。3月13日から始まるB日程では、6学科・専攻・コースが展示を行う予定です(本誌P.21参照)。20美術学部卒業制作展・大学院修了制作展A日程を開催1月14日〜17日、八王子キャンパスで美術学部卒業制作展・大学院修了制作展A日程を開催しました。実施したのは、日本画、油画、版画、彫刻、工芸、環境デザイン、メディア芸術、情報デザインと、今年度新たにテキスタイルデザインを加え「多摩美の版画、50年」展を開催。オンラインイベントも多数実施多摩美術大学美術館で1月6日〜2月14日に、「多摩美の版画、50年」展を開催しました。本展は、本学における版画教育開始50周年を記念し、版画専攻が企画したものです。駒井哲郎、李禹煥、加山又造、和田誠など、本学にゆかりのある多彩な作家62名の版画作品を、「版画のコア」「版画と絵画」「版画と写真」「版画ともの派」「版画と現代美術」「版画とデザイン」という6つのテーマに分類し展示。会期中に多数行われたオンライントークイベントの様子は、美術館HPおよび本展特設サイトよりアーカイブ動画で視聴できます。「EWS」の特任教授も参加。アキバタマビ21特別インタビュー2020年に設立10周年を迎えたアキバタマビ21。コロナ禍の現在、アーティスト活動はいかにあり得るのか、これまでの振り返りとともに行った4組のアーティスト・インタビュー映像「出品作家に『今』を聞く/EWS教授に『世界』を聞く」を1月15日〜2月14日に上映しました。エクスペリメンタルワークショップ(EWS)のアピチャッポン・ウィーラセタクン教授と塩田千春教授には世界を舞台に生きることについてお話を伺っています。インタビュー内容はHPでも公開中です。日立製作所とサービスデザインに関する産学共同研究を実施情報デザインコースの3年次演習(担当教員: 吉橋昭夫准教授)で、株式会社日立製作所と連携し、「信頼」を起点とするサービスデザインに関する産学共同研究を実施しました。学生たちは昨年9月から約5カ月をかけて『生活の中の身近にある信頼』を深掘りし、実証のプロセスを踏むことを徹底する中で新しい「信頼のかたち」を考案。それを基にした新しいサービスをデザインし、利用者の経験をかたちにすることに取り組みました。1月20日にオンラインで行われた成果報告会では、口コミを集めて街独自の観光地図を作りあげるサービスや家庭内のニュースを記録して共有する家族向けアプリ、初対面でも気軽に話ができる雰囲気作りを支援するソーシャルシールの開発など計11作品を発表。各作品について日立のデザイナーの皆さんから講評をいただきました。多摩美×早稲田で、今年度も起業家育成の連携講座を実施2017年から続く早稲田大学とプロダクトデザイン専攻との連携講座が今年度も開講されました。今回から受講対象に情報デザイン学科生も加わり、全10回の授業を行いました。本講座は「ビジネスアイデアの『表現力』を鍛えよう!」をテーマに、起業家育成を目的とした「ビジネスモデル仮説検証プログラム」を大学混成のグループワーク形式で展開するものです。今回は全てオンラインによる受講となりましたが、プロダクトデザイン・大橋由三子教授による「アイディエーション」の授業に、アートディレクターの上野隆文先生によるプレゼンテーションテクニックのレクチャーも加わるなど、カリキュラムも進化を続けています。受講生らは最終プレゼンを経て、2月17日、投資家らの前でプレゼンする「第3回WASEDA Demo Day」に参加しました。その結果、「わせたま賞」と「メンター賞」に、プロダクトデザイン3年・中島健さんのチームによる、画像を予約消去できる管理アプリ『CalPhoto!』が選ばれました。また、同専攻3年・伊藤百香さんが参加したチームは、家の中で香りの変化を付けることにより1日の気持ちの切り替えを助ける『Cycle Diffuser』を提案。「メンター賞」を受賞しました。Topics & Awardトピックス大学直営の学生寮「多摩美オリーブ館」が完成八王子キャンパス隣接地に女子学生寮「多摩美オリーブ館(TAMABI OLIVE DORM)」が完成し、2021年4月から運営を開始します。本館は、地上5階建ての鉄筋コンクリート造で、2つの円弧が向かい合い、中庭には風が抜けるよう設計されています。1階にはダイニングやホールなどの共用スペースがあり、2階から5階には学生の居室・全186室を完備。勉強机・ベッド・ユニットバス・トイレ付きで、勉強机は作品を制作する時の作業台にもなるように作られています。また、各階にはランドリーとキッチンスタジオがそれぞれ備えられています。オリーブ館の命名は、オリーブが荒地などの厳しい環境下でも良く育つ、非常にたくましい木であることに由来します。学生たちにもたくましく強く、素晴らしい人材になってほしいとの願いを込めて付けられました。

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