入試ガイド2020|多摩美術大学
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掲載作品は合格者より選定●専門試験鉛筆デッサン(5時間)【問題】床に金属製の円筒(外形寸法:直径25㎝、長さ50㎝)が3個と、木製の板(外形寸法:縦100㎝、横100㎝、厚さ3㎝)が1枚置かれている。円筒は6個以上、板は2枚以上を使い、立体構成した状態を想定し、鉛筆デッサンしなさい。【条件】1. 背景(教室内観)、人物、イーゼルは描かないこと。2. 円筒と板は、切ったり加工したりしないこと。3. 立体構成は、床に置かれた状態で描くこと。4. 記名票は縦位置の場合は右上、横位置の場合は右下にしておくこと。【注意】出題の内容に関する質問にはお答えできません。【使用紙】BBケントイラストレーションボード(荒目/B3)●採点基準鉛筆デッサン・出題の意図 = 出題の意図を理解しているか・問題の理解 = 問題の与条件を理解しているか・空間の構成 = 構図の意図が明確かどうか・描写力 = かたち、光、空間、素材感が正確に描写できているか・構成力 = 空間の中での立体的な構成が考えられているか●出題のねらい・採点ポイント鉛筆デッサン環境デザインの対象となるのは、身の周りの小さなスケールから、都市のような大きなスケールまでさまざまです。つまり単体だけではなく、複数の関係を空間的に思考することが必要となります。環境デザインの領域では、スケッチや図面といった「想定表現」が重要になってきますので、その基本的な表現力をみるため、実物のモチーフを目の前にした「立体構成の想定デッサン」としています。「教室内観は描かない」としているのは、空間の奥行や広がりを感じさせる背景も大切ですが、より作者の立体構成力(空間表現力)を評価するためです。採点のポイントとしては、問題文にモチーフの大きさが示されており、縦横寸法の関係を考え、立体構成の基準として把握しているかを最初に評価します。モチーフの円筒自体にも内側と外側という空間がありますが、それらの関係、つまり空間構成が意図されているかがポイントになります。構図や目線によるパースペクティヴな高さや、奥行表現がされていることが重要です。試験会場の空間をはみ出すほどの大きな構成も見られ、それも意欲的で目に留まりますが、既定の数を満たしていれば優劣はありません。そして立体構成が置かれている床の存在と、光と影の表現、モチーフの素材感が最終的な評価につながりました。074美術学部環境デザイン学科

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