三つのポリシー
統合デザイン学科

卒業認定・学位授与の方針
(ディプロマ・ポリシー)

統合デザイン学科は、グラフィック、プロダクト、インターフェースといった、これまでの領域の区分を取り払い、デザインの諸領域を横断的に学ぶための新たなデザイン教育の場です。この学びにより、デザインという美学をベースとし、調和のとれた社会を築く人材の育成を目指します。

身体の延長としてのものや空間、その集合体としての環境、そして、それぞれをつなぎ合わせる媒介としてのシステムとコミュニケーション、映像や身体のインタラクション、それらが途切れることなく一貫性を持って統合されたデザインは、美しく、機能的であり、生活や社会、産業をより豊かな方向に導く原動力となっていくと考えています。

統合デザイン学科は、美術学部の教育研究上の目的に定める人材を育成するために、生活の営みから社会や産業を構成するさまざまな「問題に気づき、その本質を思考する力」、個々の問題から「全体を見極め、多様な解決の可能性を発想する力」、発想をもっとも適切な方法で「具体化するための知識とスキル、実現する行動力」を身につけられた学生に、学士(芸術)の学位を授与します。


教育課程編成・実施の方針
(カリキュラム・ポリシー)

統合デザイン学科は、ディプロマ・ポリシーで示した目標を学生が達成できるよう、以下の方針にもとづき、教育課程(カリキュラム)を体系的に編成・実施します。

導入教育では、本学科が開講する講義系の専門科目を通じて、デザインの意味や目的など、まず知っておくべき根本的なことについて学びます。

1・2年次の基礎教育では、描写、色彩・形態・素材・構成といった造形演習から、情報の概念、タイポグラフィ、ダイアグラム、写真、造形技法、WEB、インタラクションなど、アイデアを具体化するために必要となる、デザインの諸領域の知識やスキルを習得していきます。

3・4年次の応用教育では、モノとヒト、環境、社会との関係やそれらが統合された全体をデザインすることを「プロジェクト」と呼び、担当教員がゼミ形式で授業を行います。各教員が提示する社会に即したテーマに対し、学生は自ら課題を設定し、作品制作に取り組むことで、社会的な問題や生活より導き出される焦点から解決策や調和を構築する力を習得します。4年次の後期は、集大成となる卒業制作に取り組んでいきます。

論理的な講義と実践的なスキル教育、自らの課題設定とその具体化といったように、統合デザインのプロセスを学ぶため、体系的に授業科目を配置します。

学修の成果を評価するにあたっては、あらかじめ明示した成績評価基準にもとづき、厳格な成績評価を行います。さらに、教員個々の専門性を活かしたクロスレビューも実施し、多様な角度から評価の精度を高めていきます。


入学者受入れの方針
(アドミッション・ポリシー)

統合デザイン学科では、ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシーにもとづく教育内容等を踏まえ、対象を深く観察し描写する、与えられたテーマから発想し構成するといった、基礎的な造形能力とともに、積極的に考える意識を持つ人材を求めています。

試験に向けて継続的にトレーニングすることは大切な姿勢ですが、表面上のスキルではなく、その奥にある、日常の生活にある問題に気づいたり、未知のことに対して自分で考えたりする力を持った、一人一人の創造する力を見出していきたいと考えています。

入学後には、授業で学んだことを活かし、気づき、思考を掘り下げ、発想を広げ、さまざまな問題解決の可能性を考え、オリジナリティのある方法で具体化を実践できる人を評価していきます。
そのために、描画力や構成力と同等に、社会を理解し、人とコミュニケーションをしていくうえで必要な常識的な知識や論理的な思考力を重視し、対話や論述、学科試験から多角的な視点で採点を行います。

社会や産業が大きく変化しています。また、日本や世界ではさまざまな課題もあります。今までのやり方が通用しないような状況のなかで、自分で気づく力、考える力、創造する力をしっかりと身につけることで、これからの新しい社会を主体的に生きていきたいと考える人の入学を期待します。



美術学部 各学科の三つのポリシー