三つのポリシー
演劇舞踊専攻

卒業認定・学位授与の方針
(ディプロマ・ポリシー)

上演芸術では異なる専門分野のアーティストたちが綿密に意思疎通を図りながら、お互いの個性の違いを認め合い、それを創造の源として一つの作品に結晶させます。多様性の尊重を促進する現代社会において、このような集団創造の芸術の知見を活かし、演劇や舞踊が果たせる役割は大きいです。美術研究科博士前期課程演劇舞踊専攻では、そのような視座を持ちつつ、上演芸術のアーティストや研究者として、日本と世界における新しい価値観の形成や芸術文化の創造に寄与できる人材を養成することを使命とします。

演劇舞踊専攻は、「演劇舞踊」「劇場美術デザイン」の2つの研究領域を設けています。「演劇舞踊」では演技、劇作、ダンス、コレオグラフィ、演劇史・演劇理論について、「劇場美術デザイン」では舞台美術、照明、衣裳、映像美術のデザイン及び理論について、分野を横断した幅広い視点から研究します。

上演芸術の分野において新しい表現方法を創造し、その成果を修士作品・論文等とし、広く社会に向けて発信することができた学生に修士(芸術)の学位を授与します。


教育課程編成・実施の方針
(カリキュラム・ポリシー)

美術研究科博士前期課程演劇舞踊専攻は、ディプロマ・ポリシーで示した目標をすべての学生が達成できるように、「演劇舞踊」「劇場美術デザイン」の両研究領域とも、個々の研究テーマに即した専攻の専門科目と、幅広い教養を身につける共通選択科目を履修することができます。

演劇舞踊専攻は、担当教員による専門性の高い指導体制のもと、各人のテーマを尊重しつつ対話を重視した研究指導を行います。当専攻では、社会における上演芸術の在り方に対する見識を深め、創造的かつ批評的な視座で研究テーマを設定します。またディスカッションを通じて自説を客観化するとともに、学際的な幅広い視点から自己の研究課題を深めます。それによって各人の芸術作品や論考が社会に対して説得力を持つようにします。

学修の成果は、あらかじめ明示した成績評価基準にもとづいて厳格な成績評価を行います。さらには、その結果を自己点検した上で活用し、教育方法の改善と改革につなげていきます。


入学者受入れの方針
(アドミッション・ポリシー)

美術研究科博士前期課程演劇舞踊専攻は、新しい演劇や舞踊を創造する意欲を持った人、上演芸術の在り方を歴史的、理論的に探究する興味を持っている人、上演芸術についての洞察力、および構築能力を深く備えた人を積極的に受け入れたいと考えています。

選抜試験は作品、面接、小論文、提出書類等を総合して選考します。専門的な表現力と技術力、発想力の豊かさと独創性、人を感動させる感性があるか、積極的・情熱的に作品に取り組んでいるか、研究内容と表現方法が合致しているかを評価します。

人類は上演芸術を通じて、自然と文明の調和、戦争の愚かさ、個人の自由、人生の意義、恋愛、家族などについて考え表現し、人間や社会の在り方を集団的に探求してきました。その意味で演劇や舞踊は社会を鋭敏に反映するとともに、それに多大な影響を及ぼし得る芸術です。当専攻では、新しい表現方法を模索し、社会に向けて発信することで既成の概念を変革していく人材に期待しています。


大学院美術研究科 各専攻の三つのポリシー