コラム記事「美術教育と大学制度」(執筆:  )

第1章 理念

図版:自由と意力

1-1 多摩美術大学の目標:新たな座標軸を目指して
○建学の精神 1935年の前身校の創立にあたって、その設立趣意書において、「美術は自由なる精神の所産たるを想ふとき、我が美術教育界の缺陥は力説に價するものといふべし。我等同志がこゝに我が美術教育界の缺陥を補填し、我が国美術の振興に寄與せんとする微意に出づ」と、その壮大な決意をうたいあげている。まさに、美術教育界における自由独立の宣言である。
以来、今日に到るまで、その「自由なる精神」は脈々と流れて、本学の学風を築いてきた。自由というものは、一つの安定した環境のなかに得られるものではない。自由とは、人間が日常の活動のなかで、絶えず闘いとっていくものであることを本学の歴史は教えている。
自由な本学には、またおのずからなる秩序がある。その秩序は、自然界の秩序と同じように、人間自然の理によって形成されているのである。このことは、美術教育の場としてきわめて大切なことである。
また自由には、自由を自らのものにしようとする意志の力が必要であり、創造する者にとってそうした「意力」がなくてはならない。
いま、時代は転換期のさなかにある。世紀のかわりめにあって、今までの価値体系が通用しにくくなっており、いまだ次の新しいシステムが生まれるに到っていない混沌とした状況にある。こういう転換期においては、高き山に登って天を仰ぎ、地平線を見わたすが如く過去と現在を俯瞰し、未来を思索しなければならない。そして、たえず建学の精神に立ち帰ることが求められる。
○21世紀を見据えて 諸文化の分野と同様に、美術文化の領域も大きく変貌をとげつつある。美術の事象も多様化し、横断化し、または既存の創造概念を超えて変化しつつある。そのような時代に対応するため、本学は多様な視点から検討を行い、21世紀を見据えた教育改革を行った。この教育の改革は、今後とも様々な方法や形態で継続されていくのである。
○同時に、これら教育の改革と併走する形で、高度情報化時代に対応できる教育環境をめざし、とくに八王子校舎の抜本的建設整備が整々として進行中である。
○世界的な文明の転換期にあたって、本学は新しい座標軸をうちたて、競争的環境のなかでさらに個性輝く大学に発展しようとしている。幅広い横断性、総合性と豊かな専門性の融合をめざし、また、知識力重視の教育から創造力あふれる教育へその重心を大きく移すのである。今後ますます増大する生涯学習にも積極的に取り組むとともに、国際交流のさらなる充実、新しい産学共同の構築、また地域社会との一層の連携をすすめるなど開かれた大学としてトップランナーたらんとしている。
(執筆:法人多摩美術大学理事長 藤谷宣人)
図版:目標の達成 卒業生の資質
1-2 多摩美術大学の特色:芸術文化の創造
○ハード面の八王子校舎建築が拡大充実したのに平行して、ソフト面の教育カリキュラムの拡大充実が行われる。
○芸術文化の創造 多摩美術大学は、美術文化を創造研究し、広く社会に発信していく場です。
人間は肉体の外界に文明と文化を蓄積してきました。しかしながら、物質文明は、その負の側面が明らかとなるにつれて、地球環境を脅かす存在となりつつあります。それに加え、社会の高度情報化が進むなかで、わたしたちの生活におけるメディアの重要性が日増しに高まっています。このように物質文明による地球環境の破壊が反省され、メディアの影響力にも批判的な検討が加えられている現在、人間の精神文化を代表する美術文化が再認識される時代にあります。これからの幸福の追求は、物質的な成果を享受するところにあるのではなく、精神的にいかに豊かに生きるかという、美術文化への充実にむけられるべきでしょう。学問や芸術やデザインを通して、非物質な世界への探究を深め、それが物質界をリードしなくては、都市文明も、ただの自然破壊にしかすぎないのです。
今日、諸大学では学際的研究が展開しつつありますが、美術大学は美術創作の本質から、人間性を綜合する教育研究を、従前から行ってきました。美術創造のプロセスは、知性・理性・感性と肉体による表現を綜合する全人間的な営みといえます。美術創造もデザインも、現実世界と非現実世界をつなげ、物質と非物質のあいだにインタラクションを起こしながら、世界を循環させる行為なのです。人類の美的資産の継承と未来を拓く新しい美を創造する。
○美術の表現力 科学技術の発展にともない、人間は美的感性の対象を拡大してきました。今日、芸術の表現領域は伝統的な絵画・彫刻・演劇などから、映像音響、メディアアート、環境的かつ観客参加型のパフォーマンスやアニメーション・漫画・マルチメディアデザインにまで及びます。これらの新しい動きは、新しい時代感覚や、独自の信念から生まれますが、それらのイノベーティブな作品が、必ずしも順調に社会に受け入れられるわけではありません。しかしながら、美術の本分である豊かな表現力が発揮され、見る側の感性に受け入れられると、作品のメッセージは説得力を発揮して、現実社会を突き動かすこととなります。
○国際的な発信 日本の美術は、近代化を通して、西洋美術と東洋美術を俯瞰し、多様な芸術文化を養ってきました。その経験を踏まえて、日本の美意識を国際社会に発信することが可能でしょう。 アジアをはじめ世界の美術大学との交流を広げ、世界水準の質の高い美術創作の成果を、世界に広く発信することをめざします。そのためには国際的な美術家やデザイナーが集まる創作的な環境を構築する必要があります。
○専門実技教育が高度な達成度をあげているのに平行して、大学院組織の完成と共通教育組織の復興が必要である。
(執筆:多摩美術大学学長 高橋史郎)
図版:目標の達成 学生の満足度
1-3 美術教育の国際化とアジアへの貢献
○美術のボーダーレス性 美術文化の国際交流は、言葉や地域の垣根を越えて、人と人の感性が触れあう豊かなコミュニケーションを実現します。もともと、美術表現は、多様に分化した人間活動の諸相を有機的に統合する営みであるといえます。現代では、情報化社会をむかえ、芸術の意味や役割が大きく様変わりしようとしておりますが、芸術は人間どうしが豊かな関係性を復活させる役割を負っています。留学生統計
○アジアへの貢献 アジア諸国の中では、タイ王国のシルパコーン大学と1978年以降、継続的な交流をおこない、0000年から隔年3回にわたって「日韓中教授作品交流展」を清華大学美術学院、東亜大学校芸術大学と共に開催しました。
○国際交流の記録2000−2003
2003.11.24中央美術学院より学長招聘
2003.11.22中国美術学院75周年記念式典出に学長招聘
2003.11.02国立雲林科技大学 林聡明校長
2003.10.31シルパコーン大学 シティチャイ グラフィックアート学科長、版画研究室
2003.10.29グリフィス大学 ポール・ジョリー学長代理
2003.10.28 シルパコーン大学/多摩美術大学版画科交流展
2003.10.16ロッテルダム芸術アカデミー リチャード・アウェルケルク学長
2003.10.08スタンフォード大学 サラ・リトル・ターンブルディレクタ
2003.10.07シドニー・カレッジ・オブ・ジ・アーツ ロン・ニューマン学長
2003.10.03ロイヤル・カレッジ・オブ・アート クレア・ジョンストン教授「テキスタイル特別講義」
2003.10.03ヘルシンキ美術大学 ユリアナ・レバント副学長 ユリヨ・ウィヘルヘイモ教授「特別講義」
2003.09.26シルパコーン大学 タボーン副学長「版画学生作品交流展」
2003.09.25ソウル芸術大学 教務課長兼文芸創作科 イ・グァンホ教授
2003.09.19シンガポール共和国大使館 陳威翔一等書記官(産業)
2003.08.07ラオス外務省 ソムサクート大臣閣下「現代の東南アジア美術」展
2003.07.11シドニー・カレッジ・オブ・ジ・アーツ ロン・ニューマン学長
2003.07.10ASEAN諸国大使閣下「現代の東南アジア美術」展
2003.07.01中央美術学院 許平副教授
2003.06.20フンボルト大学 情報デザイン学科
2003.05.14サウサンプトン大学 絵画学科長 ステファン・クーパー
2003.04.16ソフィア国立美術アカデミー スヴェトザル・ベンチェフ助教授
2003.03.29.中国美術学院 宋建明副院長
2003.03.18中央美術学院 潘公凱院長 他5名
2003.01.27王立メルボルン工科大学 マーレイ国際交流委員長
2002.12.13清華大学美術学院「日韓中教授作品交流展」美術館
2002.12.13東亜大学校芸術大学「日韓中教授作品交流展」美術館
2002.11.19アートセンター・カレッジ・オブ・デザイン リチャード・コシャレック学長
2002.11.15サウザンプトン大学 デザイン学科長 ロブ・ハドルストン
2002.10.16シルパコーン大学 シティチャイ教授、版画研究室
2002.10.08バルセロナ美術大学 アントニア・ビラー副学長
2002.10.07グリフィス大学 ラッセル・クレイグ教授
2002.07.01ヘルシンキ美術大学 タピオ・ユリ・ヴィカリ教授
2002.05.22タリン芸術工業大学 機械工学デザイン ティート・ティーデマン助教授
2002.05.21漢陽大学 学長・副学長・デザイン教授
2002.01.22清華大学美術学院 環境芸術学部長
2002.01.07 ヘルシンキ美術大学学生テキスタイル作品展
2001.11.21上海市教育委員会
2001.06.30ジョー・プライス氏 日本美術研究者
2001.03.22アートセンター・カレッジ・オブ・デザイン リチャード・コシャレック学長
2000.12.21清華大学美術学院 呂振華自動車工学部長以下7名
2000.11.24サウサンプトン大学 ロブ・ハドルストンデザイン学科長
2000.11.04フィンランド国立ヘルシンキ工業芸術大学 ユリヨ ソタマ学長交流契約を調印
2000.01.25北京中央工芸美術学院主催の中国美術館に5名が出張「東アジア3個国教授作品交流展」
(資料制作:国際交流委員会担当 教務課 石田一郎)
図版:世界の美術教育の分類
1-4 自己点検の定着と反映 
各大学が自らの教育研究の理念・目標に照らして評価し、その結果を踏まえて大学が改善を行っていくものであり、大学の自主的・自律的な質の充実に資する。
○新入生アンケート、在校生アンケート、卒業生アンケートなどの調査実施結果。
○2000年3月に発行された「多摩美術大学1997-98-99」の第2章「美術教育の現状と課題」に記載されている課題内容が、4年後の現在に、どのように周知反映されているかを検証する。
1) 「多摩美術大学1997-1999」記載の「絵画学科日本画専攻の現状と課題」かって加山又造、横山操、上野泰郎教授の時代の卒業生が、当時の教授とおなじ年齢に達して、現在の研究室を構成している。次の時代の若手の養成が期待される。専門事務職の主導による運営は、美術大学の性格を薄くし、一般大学化する恐れがあり、美術大学らしい研究室運営のために、日本画研究室専属の事務員配置が検討されている。作家業とマネ−ジメント業との両立は難しいようである。
現実の反映
2) 「多摩美術大学1997-1999」記載の「絵画学科油画専攻の現状と課題」平面造形を扱う絵画学科は、立体造形物を扱う彫刻学科と比べて、教室面積が少ないのが従来の考え方であり、現在の油画研究室も描写をカリキュラムの中心においており、彫刻学科をはじめ他学科の教育領域との競合関係など、検討すべき点もある。また、臨時定員の返還による定員の減少も予定されている。とはいえ油画専攻の立体造形のアトリエ施設の充実は、当面する検討事項となっている。
現実の反映
3) 「多摩美術大学1997-1999」記載の「絵画学科版画専攻の現状と課題」他学科の学生の版画を勉強したいという希望にどう応えるかが、大学全体の履修方法に関わる課題である。
現実の反映
4) 「多摩美術大学1997-1999」記載の「彫刻学科の現状と課題」ファインアート系、デザイン系という、気質の違う者同志の交流があってこそ、キャンパスを同一にする意義がある。新校舎は絵画棟と彫刻棟がキャンパスの南北に離れてしまったので、絵画学科との交流がすくないのが問題点である。
現実の反映
5) 「多摩美術大学1997-1999」記載の「工芸学科の現状と課題」ガラス工芸は、良い設備ができたので、世界レベルに近付いた。しかし、設備の貧しかった頃の学生がいまガラス工芸界で大活躍しているのは皮肉である。多摩美はガラスの第一人者を自負してきたが、設備に頼ると、その座を奪われかねない。個々の学生が問題を自ら見つけることが重要である。
現実の反映
6) 「多摩美術大学1997-1999」記載の「グラフィックデザイン学科の現状と課題」デジタル化、映像化、マルチ化、ネット化という最近の動向は、この学科の大きな課題となっている。コンピューターによるデザインのデジタル化教育については、DTP/DTVなどのCAD中心に進め、現在、周辺機器を含めると150台の機材をソリューション別に特化したシステム構成としており、約700名の学生がこれによって学び、学習効果をあげている。しかし今後、学生のコンピュータリテラシが向上してくると、次段階の技術教育と、安定したハイエンドマシーンの導入が必要となると思われる。デジタルのデザイン教育については、まだまだ初歩の段階であるが、ウエブデザインなどが実用化されれば、コンピュータメディアの表現が爆発的に求められることが予想されるので、デジタルのデザイン教育を充実させなければならない。以上の課題解決のためには、カリキュラムの抜本的な改革が必要である。現在のカリキュラムは、旧来のカリキュラムにデジタル関連科目を強引にねじこんだ感があり、整合性に無理があり、今後の時代に対応するのは困難である。過去の因習にこだわることを止め、新しい発想のカリキュラムの開発が急がれる。また、新しいカリキュラムに対応した技術を持った教員が必要であり、デジタルデザイン、映像デザイン、デジタルデザイン関連の教員の確保に格段の努力をしなければなるまい。とくに、映像デザインコースには専任教員が不在というのが現実である。またデジタル化における人間性に関する、ヒューマンウエアについての教育研究の人材も必要であろう。総数700名を超える学生に対応する助手、副手の増員も要求されている。
現実の反映
7) 「多摩美術大学19971999」記載の「プロダクトデザイン学科の現状と課題」産業社会の進展に対応しながらカリキュラムが開発されるために、教員の構成をたえず改革する必要がある。そのために任期制の専任教員が提案されている。専任教員には、プロデユーサーとしての能力がもとめられる。卒業生がすぐ社会に出るので助手が育ちにくい。研究資料のデータバンク化、インターンシップ制ヘの対応、オリジナル商品の企画、産学共同研究からの商品の実現、ユニヴァーシティーグッズの開発などが当面の研究課題である。
現実の反映
8) 「多摩美術大学19971999」記載の「テキスタイルデザイン学科の現状と課題」テキスタイルの専任教員の全員が本学卒業生である点を改善する必要があるが、海外からの特別講師招聘や、客員教授就任の計画など国際性に努めている。染織技術やコンピュータの技術職員採用の要求があるが、現在はメディアセンターにプロフェッショナルな技術職員の組識を計画中であり、当面、各研究室に技術職員を配属する計画はない。
現実の反映
9) 「多摩美術大学19971999」記載の「環境デザイン学科の現状と課題」環境制作の現場主義を特色とするカリキュラムのため各種成果物の出版活動が盛んであり、その制作費用の予算化が求められている。
現実の反映
10) 「多摩美術大学19971999」記載の「情報デザイン学科の現状と課題」美術系では学科新設の定員増が法的に抑制されているので、工学での学科新設となったが、結果的には工学部系、美術系、人文系の教授の混成となり、多様な要素が同居する学科の運営は困難が多い。一方、この多様さが他の美術系大学が設置している多くの情報デザイン学科とは異なり、工学と人文と美術の教員と設備を兼ね備えていることが教育効果をあげている。短絡的に工学系や人文系の伝統的なカリキュラムを模倣するのではなく、美術系独自のカリキュラムを地道に模索することが大切であろう。助手の採用資格に関して、現在の大学の基準は、大学院終了2年後となっているが、工学系の場合は緩和したいという提案がある。TAの採用を計画している。
現実の反映
11) 「多摩美術大学19971999」記載の「芸術学科の現状と課題」芸術学科志願者へのアプローチとアピール方法、進路指導方法の開拓にはなお工夫が必要である。現在図書館は5時に閉じられるが、論文執筆学生のためや、図書館の収集になる現代美術資料や龍口・北園文庫の整理とデーターベース化の作業のためは時間がかかり、図書館の閉館時間を延長してほしいという希望がある。
現実の反映
12) 「多摩美術大学19971999」記載の「共通教育の現状と課題」従来、一般教養科目の運営は、教務部があたってきたために、単独の共通教育研究室としての認識が薄い。美術学部は大組織でもあるので、共通教育の活性化はこれからの課題であり、美術学部の中に共存する純粋芸術系、デザイン系、学理系の3色3様の特色を、相乗的に生かす効果的なカリキュラムを工夫する必要がある。実技科目と協力しあって、共通教育科目の多様化と充実をはかることが当面の課題である。その他、大人数クラスの解消、国内外における研修やサバティカル制度の充実、共同研究費交付基準の明確化、学生相談室の設置などの検討事項がある。
現実の反映
13) 「多摩美術大学19971999」記載の「造形学科の現状と課題」美術学部二部は展示スペースが絶対的に足りないという理由で「東京五美術大学連合卒業制作展」への出品ができないでいる。造形表現学部の第1回卒業を機会に同展への参加実現をすることが課題である。
現実の反映
14 「多摩美術大学19971999」記載の「デザイン学科の現状と課題」多くの非常勤教員が少ない専任教員を支えてカリキュラムをすすめている。特に、コンピューター200台にふえた機械の管理が重荷となっている。
現実の反映
15) 「多摩美術大学19971999」記載の「映像演劇学科の現状と課題」映像教育は、写真と16mm映画を中心にコンピューターグラフィックスやビデオを加えて、創作者の育成をはかっている。10年前に最新機器を設備し、1インチビデオ編集機があるのは大学では珍しい。しかしそのビデオもすでにデジタル化の波は無視できず、カリキュラムの組立と機材拡充のイタチごっこは続き、ランニングコンテストも大きいのが問題である。
現実の反映
16) 「多摩美術大学19971999」記載の「共通教育(上野毛)の現状と課題」社会人教育を目的とした総合的な教育が検討されている。しかし社会人の修学に対する負担は、時間的、環境的、経済的に大きなものがあり、一般社会や勤務先企業の理解が必要である。また学内においても、社会人を受け入れる環境をさらに充実する必要がある。特に、社会人の高等教育にたいするニーズを的確に調査し対応する必要があろう。さもなくば、社会人を受け入れて面倒を見ない、という誤解が生ずる。一般教養を身につけたい、基礎的な訓練をしてほしいという社会人が意外に多いという意見もある。実技学年制から完全単位性への移行、生涯学習センタと関連して新メディアや学外での教育、休日や休暇中の集中授業など思い切った再編成を検討する意見もある。
現実の反映
17) 「多摩美術大学19971999」記載の「大学院美術研究科の現状と課題」今回の一連の改組は、唯一残る博士課程の新設によって、画龍点睛をみるといえる。大組識化した美術学部や、研究分野が専門化した修士課程に対して、博士課程は小規模で普遍的、すなわち、芸術やデザインに分割されないで、実技系と理論系が統合された美術研究を目指すのが好ましい。今日の複雑多様な芸術状況に対応できる高度な知性と創造力を統合する一元化した美術理念を宣言するべきであろう。
現実の反映
(執筆:自己点検評価部会長 森下清子)


1-5 各研究室ヒヤリング
○理事長、学長、学部長、自己点検部会長、教務部長が各研究室を訪問し、所属教員の意見を聴取
美術研究室(博士後期課程) 研究科の統合 学内融和
大学院研究室(博士前期課程) 研究科5年制への統合 大学院組織 研究科長の新設
日本画研究室 若手の養成
油画研究室 描写絵画/抽象絵画/同時代美術
版画研究室 大学院と学部の学生数
彫刻研究室 
工芸研究室 陶芸志願者の低迷
グラフフィック研究室 アニメーション教育の進展
プロダクト研究室 アトリエ工房の狭隘 工業デザインの変貌
テキスタイル研究室 新時代への対応
環境デザイン学研究室 ランドスケープの低迷 産学研究契約の担当事務部長
情報デザイン研究室 芸術系の進展
芸術学研究室 教育目標の鮮明化 大学院入試判定では共通教育との異論がある。
共通教育研究室 共通教育の復興
造形学科研究室 壁画領域
デザイン研究室 八王子との共存
映像演劇研究室 学生規模の検討 演劇教育の活性化
共通教育研究室 社会人教育の理解
(記録:教務部長 森下清子)


1-6 各事務部署ヒヤリング 
○理事長、学長、学部長、自己点検部会長、総務部長が各事務室を訪問し、所属職員の意見を聴取
美術館事務部 大学との一体関連性 大学付属の意義 美術大学の象徴的存在
図書館事務部 新図書館の立案 美術展カタログ収集のアピール
メディアセンタ事務部 機能の見直し 設置理念の実現検証
生涯学習センタ事務部 大学への寄与
校友会事務部 組織運営
企画広報部
教務部
造形表現学部事務部 夜間勤務の状況
学生部 進路指導へのアイデア
総務部八王子課
上野毛事務部
経理部 予算立案への協力
施設整備室
(記録:総務部長 柿本静志)