提案者:秋山孝2004年01月21日多摩美術大学グラフィックデザイン学科
●多摩美術大学創立70周年記念「東方のイラストレーションポスター」展(企画案)
人類は、ヴィジュアルコミュニケーションするために、最初に岩壁に絵を描いた(3万年前頃)。その後、絵は絵として独立し、文字は絵から絵文字、さらに文字へと発展した。絵と文字の二つの大きな要素は、響きあいながら、ヴィジュアルコミュニケーション世界を作り上げた。絵で心を動かし文字で理解させる。この二つは、現代も相変わらずに補完しながら緊密な関係を作り上げている。105年に中国で蔡倫が紙を発明する。285年頃日本に紙が伝えられる。日本では770年頃「百万塔陀羅尼」が印刷される。以来、紙における東方のヴィジュアルコミュニケーションが成立した。現代では、国際言語と呼ばれるイラストレーションはあらゆるメディアの中で活躍している。
イラストレーションはヴィジュアルコミュニケーションデザインのポスターメディアの中で、主観的表現を駆使して時代を映す鏡の役割も持っている。同時に芸術的な美しさをも兼ね備えている。ポスターという限られた条件で表現する魅力は計り知れないものがある。そこから東方の時代の感性を読み取ることが可能で、ポスター史から見てもここに焦点を当てることは斬新な切り口でもあり、東方のイラストレーションポスターは、西洋とは全く異なる独自な文化や芸術的表現を見ることができる。
本学70周年を記念する展覧会にふさわしく、21世紀に世界から注目されている東方アジアの文化とデザイン産業の活力を認知させる展覧会であり、日本、中国、韓国、などを中心とした東方にしか見られない表現を一覧する「東方のイラストレーションポスター」の展覧会を企画開催するものである。
多摩美術大学は、日本最大のイラストレーターの輩出校であり、多摩美術大学創立70周年を記念するものにふさわしい、企画展であることは間違いない。
・会期:2006年9月〜11月(予定)
・会場:多摩美術大学美術館、他 巡回展
・第1室:「中国、韓国、などを中心とした東方の現代のイラストレーションポスター」
・東方アジアのヴィジュアルイメージを理解する唯一のものとなる。
・現代中国は目を見張る勢いで急速に発展している。かつて毛沢東時代のプロパガンダ ポスター以降の現代イラストレーションポスターを展示する。
・第2室:「日本の現代のイラストレーションポスター」
・日本の現代のイラストレーションポスターから、中国、韓国などとは異なる日本のイラストレーションの魅力を垣間見ることができる。
・国際的に評価されている日本のイラストレーションポスターのダイナミックな表現が位置づけられ、イラストレーションポスター文化を味わうものになる。
・第3室:「日本、中国、韓国、などの歴史的な意義のあるイラストレーションポスター」
・日本では、本学の初代学長の「日本のアール・ヌーボー」「日本のモダンデザインの旗手」杉浦非水をはじめ、山名文夫以降イラストレーションポスターで花開く。
・毛沢東時代のプロパガンダポスターを中心に、イラストレーションを通して、プリミティブな手法を使った絵と文字からなる表現と、西洋とは全く異なった 東方の力強いシンプルなヴィジュアルコミュニケーション世界を見ることができる。
・紙におけるポスターの印刷技術は、小型サイズから大型サイズへと白黒からカラー印刷へと印刷技術が発達した。
・第4室:「日本のイラストレーションを体系化した展示」
・285年頃日本に紙が伝えられる。日本では770年頃「百万塔陀羅尼」が印刷される。以来、紙における東方のヴィジュアルコミュニケーション文化は独自に発達した。日本のイラストレーションを体系化したものを展示する。
・アーカイブシンポジウム企画
1.東方のイラストレーションポスターの魅力
2.日本のイラストレーションポスターの特徴。
3.中国のイラストレーションポスターの迫力。
4.イラストレーションポスターはコミュニケーションできるのか。
・多摩美術大学創立70周年記念展 主催者代表
理事長 藤谷宣人
学長 高橋士郎
・「東方のイラストレーションポスター」展 実行委員会:
委員長 秋山孝
副委員長 萩原朔美
委員 中島祥文
佐藤晃一
近藤秀実
渡辺達正
片山雅博
澤田康廣
高橋周平
松澤穣
仙仁司
・予算:
01.展示、会場費、設備備品費
02.印刷費、編集費、デザイン費
03.通信費、運搬費
04.旅費、宿泊費
05.謝金、謝礼、アルバイト代
06.パーティ費
07.文具費、消耗品費
08.雑費