美術学部 総合型選抜・学校推薦型選抜コンセプト

絵画学科油画専攻

学科・専攻の特色

油画専攻は、建学以来いつの時代もそれぞれのムーブメントの先頭に立って発言する作家たちを輩出してきました。とくに戦後の日本現代美術界における本専攻出身の「もの派」の作家たちの活躍は、今まさに世界から評価を受け注目されています。また、現在さまざまな美術コンクールや公募展が林立しているなかにおいても、多くの卒業生が優秀な成績を収め存在感を示しています。
われわれは今後とも、国際的視野をもち、絵画に基盤をおきながらも多様な表現メディアによって、日本の芸術文化に貢献する個性的な作家を育てることを目標としています。
入学試験では、本専攻の教育方針に賛同し、現代の芸術文化に貢献する意欲のある受験生を希望します。しかし、美術作家として有名になることだけが成功や評価に値することではありません。美術表現を探求することによって、自らの存在と社会との関係を自覚し、ひとりの人間として自立していくことがもっとも大切なことであり、そのうえで表現者としての第一歩が始まります。その土台を作ることも私たちの教育の大きな役割と考えています。今後、さらに高等学校や諸機関等との教育的連携を強め、造形的基礎訓練の継続性を大切にし、表現活動を続ける弾力性ある人材を育成していきたいと考えています。

選抜方針

学校推薦型選抜では、真摯な姿勢で美術と向き合い、豊かな感性と知性をもった個性あふれる人材の発掘をめざします。高等学校等の在籍中より積極的に作品制作に取り組み、現代の芸術表現をリードしていこうとする意欲をもち、また制作技能に秀でた人を求めます。展覧会などの発表歴や、美術コンクールなどにおける受賞歴も評価します。造形的基礎訓練を積み重ね、持続性をもって作品制作に取り組む態度は、未来をひらく自由でいきいきした創造を生み出すための基盤になります。
これらの資質や能力を「面接」と提出してもらう「作品」「ポートフォリオ」「書類」で、総合的に判断し選抜します。

高等学校等で学習・経験しておいてほしいこと

「美術」の授業だけでなく課外活動においても、自ら積極的に美術と出会い触れ合う機会をもつことを望みます。絵画制作能力を高めるためには、描写などの造形的基礎訓練のみならず日常的に絵を描く意識で身近なものを見ることが必要になります。美術館などで実際の作品に触れることや、絵画や彫刻などの美術史を学んで大きな美術の流れを理解しておくことも大切です。また、絵画制作において、例えば風景、植物、人体などを対象として制作する際、画像などを利用して描くのではなく、自身の肌で感じ、自身の目で見て制作するよう心がけてください。そのものの存在や自分との関係性を含め、大きな意味で世界の構造を捉えていくことが重要です。
また、展覧会などで作品を発表する機会があれば積極的に取り組むことも期待しています。それは、個人的な表現が周りの人とのコミュニケーションにつながっていることに気づく貴重な体験になります。