授業NO.020 授 業:「かるたdeポスター」 対 象:東京都西東京市立けやき小学校 日 時:2008年2月22日・3月7日 ポスターといってもただのポスターではありません。かるたの形式をとっているので、文字札と絵札の2種類を作ります。自分の伝えたいメッセージを、「かるた」で伝えることができるか挑戦です。 講 師:関口尚(イラストレーター/1984年本学グラフィックデザイン専攻卒業) |
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2008.2.22.
Fri.9:40〜10:15 前に並んでいるポスターを制作した人たちは、どんなメッセージを伝えたかったのでしょう?ポスターに書いてある外国語が読めなくても、その人が伝えたかったことは絵から想像できるね、と話してくれました。
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10:35〜11:50 文字札の頭文字となるひらがな1文字をくじ引きで決め、どんなメッセージを伝えようか考えます。 途中、先生の説明が入ります。「『うがい手あらいをしよう』と伝えたい場合、そのまま文章にするのではなく『かえるのうたが〜きこえてくるよ〜ガラガラガラガラペッペッペー』と『かえるのうた』のようにしたら、楽しく伝わるよね。」 関口先生はユーモアを交えた、思わず笑ってしまうような作品を制作しています。たくさんある作品の中から、自分の作品に目を留めてもらえるように、と考えているそうです |
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11:50〜12:10 絵札となる絵をアイディアスケッチします。 関口先生に見せに行くと「ここは思いっきり省いて、この部分を強調したら?」「絵だけでも伝えられるように、もっと変えてみたら?」と、関口先生の視点でアドバイスが入ります。 イメージが固まったら、画用紙に墨汁を使って描いていきます。乾いたら、絵の上にトレーシングペーパーを貼り、色鉛筆を3色選んで、ぬり絵のように色を塗っていきます。(専門用語で色指定といいます。)ここで1日目の授業は終了です。 |
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2.27.
Wed. 絵札と文字札をポスターに仕上げるため、関口先生とスタッフが集まりました。絵をスキャンし、データにして、コンピューター上で絵の線を整えたり、指定された色を乗せたりしました。文字札も制作したら完成です。出来上がったデータは、印刷会社でポスターに出力されました。 |
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3.7. Fri.10:35〜11:30 ずらりと並んだポスターを前に、先生が作品について1枚1枚講評します。「文字札の言い方が面白いね」「絵が楽しそうに見えるね」先生が作品の良いところを見つけて、コメントしてくれます。大きくきれいに出力されたポスターに、児童たちは満足そうな表情です。 |
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11:45〜12:00 教室でかるた遊びが出来るように、小さいサイズのかるたも作りました。グループに分かれ、文字札を読む人、絵札をとる人に分かれ、遊びます。さすがに自分の作品は、みんな早くとりますね!楽しそうな声が図工室に響きわたっていました。 |
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11:35〜11:45 次は、学校内に掲示されているポスターを見学します。学校内に掲示するポスターは、ポスターとして機能する場所に、スタッフが貼りました。でも、絵札と文字札は離れた場所に貼られています。文字札と絵札の両方を探せるかな?歩きながら、かるた遊びをしてみよう! |
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■おわりに 2日間にわたる授業が終了しました。伝えたいメッセージを、そのまま言葉や絵にするのではなく、言い方を少し変えてみたり、絵を面白く強調したりすることによって、より多くの人に見てもらえ、印象に残る作品が作れるのですね。みなさんが面白いな、いいなと思うポスターも、作った人の視点になって考えてみると、また面白いかもしれません。 |
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「かるたdeポスター/絵で伝えよう!自分のメッセージ」 ポスターはメッセージを伝えるためのものです。そのために一般的には情報(文字)とイメージ(絵)によって構成されています。この「文字と絵」という基本構造をひも解いて、ポスターの本質を知ってもらおうというのが、今回の授業のねらいです。小学生にも解りやすくするために、同じように「文字と絵」で成り立っている「かるた」を使いました。「かるた」をそのまま拡大することで、ちょっと変わった新しい形のポスターが出来、なお且つ遊びの要素も備えている。今回の授業では子供達の作品を持ち帰り、我々出前スタッフがデータ化し、ポスターとして出力します。60枚のポスターを制作するのは大仕事です。「かるた」という統一された形式を利用したことは、作業の効率化を計り、且つインパクトのあるデザインで、しかも画一的で没個性な印象を与えないという様々な面において非常に有効であったと思います。 |