授業No.039 授 業:「しんぶんかいじゅう」 対 象:藤沢市善行小学校1年2組27名 日 時:2011年11月月24日 今回の授業では、事前授業で「こんなかいじゅうがいたらいいな」というテーマで児童が描いた27匹のかいじゅうを、関口先生が組み合わせて1匹の絵にしました。それをもとに新聞紙とガムテープを使って大きな大きな「善行ドラゴン」をつくりました。 「あまりにも大きい」「あまりにもたくさんある」といった「過剰性」をキーワードに制作する講師の世界観に触れると共に、絵が立体になることで夢を実現させることを味わい、大きな立体をつくることを通して、圧倒的な量の新聞紙はじめ素材を体感しました。 講 師:関口光太郎(造形作家'06彫刻卒業) |
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2011.11.24 thu. 08:40〜09:25 作品紹介・善行ドラゴンのお話 視聴覚室に集まった児童が大きな声で講師の名前を呼ぶと、講師の彫刻作品「海がすきな男」を抱えた関口先生が登場しました。 |
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次に事前授業で「こんなかいじゅうがいたらいいな」というテーマで児童が描いた絵が発表されました。空を飛ぶことができたり、身体の色がカラフルだったり児童が自分でつけたかいじゅうの名前も1匹1匹とても個性的です。 |
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続いて27匹のかいじゅうを、関口先生が組み合わせて1匹に描いた「善行ドラゴン」が発表されました。自分の絵がどこに使われているか、みんな夢中で探します。 |
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ですが善行ドラゴンは長い間水から出ることができないそうです。そこで、関口先生が用意したコモンスペースの新聞紙の海へ、みんなで移動することになりました。 |
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と、その時、森先生が二階の窓を指さします。 |
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「悪い子はいねかー!!我輩は、いもむし鬼だ!善行ドラゴンが、小学校へ行くと聞いて、ついてきた。先回りして、子どもを食べにきたぞー!だれもいないなー。よし!5時間目にまた来よう!」いもむし鬼が行ってしまうと、新聞紙の海から児童が顔をだします。 いもむし鬼が去って、関口先生が帰ってきました。 |
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9:30〜10:15 善行ドラゴンづくり(全体の肉付け) 善行ドラゴンの制作が始まりました。新聞紙を何枚かあわせてまるめ、ガムテープで巻いてとめ、大きな塊を作ります。この塊を木の角材でできた善行ドラゴンの骨組みにガムテープでとめていきます。今回は布ガムテープを使うため、児童が手でテープを切ることができるのかと心配していましたが、最初はおぼつかない手つきの児童も回を重ねる度にどんどん上手になりました。友達と協力しながら、作業を進めます。30分後には、骨組みが見えないほど肉付きのよいかいじゅうが出来あがりました。 |
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10:35〜11:15 善行ドラゴンづくり(模様つけ) 今度は茶色の布ガムテープの上に、色ガムテープやカラーマスキングテープを貼って、善行ドラゴンの身体に模様をつけていきます。とてもカラフルな善行ドラゴンに変身しました。 11:25〜12:10 善行ドラゴンづくり(仕上げ) 続いては、ドラゴンの背中に乗せたいものを作ります。新聞紙に色ガムテープを使い、ハンバーガーや果物、アルパカや猫、卵が入った箱など、思い思いのものが完成しました。 |
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13:10〜13:55 発表会 完成した全長約4メートル、高さ約2mの大きな大きな善行ドラゴンをみんなで鑑賞しました。 「悪い子はいねかー。」再び現れたいもむし鬼にむかって、児童がいっせいに豆をなげました。すると、いもむし鬼が泣いてしまいました。森先生がおにぎりを差し出し言いました。 |
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「まとめ」
限られた時間の中で、大人顔負けの大きなドラゴンを作りきる1年生のパワーに、圧倒されっぱなしの一日でした。善行ドラゴンといもむし鬼のストーリーの中で、空想と現実とを自由に行き来したり新聞という素材やその圧倒的な量を体感する、そんな楽しい時間になりました。 |
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講師 関口光太郎 氏(造形作家/'06彫刻) 授業を受けてくれた1年2組のみんなは、まだ生まれて6年しか経っていないので、知識量は大人に勝てません。でも、大人よりはるかに優秀なエンジンを搭載した体と、新しいことを毎日のように吸収する新鮮な頭を持っています。そんなみんなに提示するのは、ファンタジーと現実を行き来し、素材と体全体で遊び、友達と協力して大きな形を作り、さらに好きなものを作って自分だけの個性を発揮し、最後には紙芝居の世界から出てきた悪〜い「いもむし鬼」と仲直りするという、ウルトラC級に体と頭を働かせる必要がある授業。始まる前は、みんながこれをクリアできるか不安だったのですが…それは杞憂に終わりました。今回の授業が、これからの人生で、みんなの素晴らしい頭と体をどんなふうに使うかという、一つの参考になれば良いなと思っています。そして私も、みんなの前に一日だけ現れた「変なおじさん」として、せめてみんなの10分の1くらいのスピードで、成長できたらなと思いました。 |