企業の人事担当者・卒業生に聞く/飲料・食品・フードサービス

信頼できるクリエイティブ力で 多様化するメディアや働き方に対応し活躍

味の素株式会社

「味の素」をはじめとする調味料や加工食品など、食品を中心にアミノ酸をベースとした研究に取り組み、「調味料・食品」「アミノサイエンス」そして「医薬」「健康分野」などの事業を展開。アジアを中心に世界各地にグループ企業や工場を持つ。
https://www.ajinomoto.co.jp/

2018年12月掲載


ひとつのブランドを統括する立場で責任を持ち、一貫したコミュニケーションを担う

小原 司さん
小原 司さん

味の素株式会社
広告部
クリエイティブグループ長

味の素株式会社のクリエイティブグループは、パッケージ、CM、Webなど、一人のデザイナーがひとつのブランド(商品)を最初から最後まで一貫したコミュニケーションを担うのが特徴です。例えば新商品ならネーミングなどの開発時から関わります。ひとつの商品のコンセプトや伝えたいメッセージは同じなので、それらを統括する立場で、商品への責任を持つのです。もちろん商品の多くは販売期間が長いので、数年ごとに担当チェンジを行いながら、ブランドを次世代へとつないでいきます。

グローバルな視野で、多様化するメディアや人に対応

来年は110周年を迎えますが、今後のさらなるグローバル企業を目指すにあたり、昨年ロゴを一新しました。現在、メディアも人も多様化していますので、テレビCMやパッケージ中心だった業務内容も、WebやSNS、PRイベントなどと拡大しています。それらを統合したディレクションを行って、テレビCMでは届かない人たちにもきめ細やかにお伝えするのが私達の仕事です。グローバル、また多様化への対応は働き方も同じで、現在二人いる多摩美卒業生の一人は、タイでアジア全体のディレクションを行い売上に貢献していますし、赤坂さんも時短勤務で、業務と育児と両立しています。

信頼できるクリエイティブ力に加え「自分の強み」を持つ学生に期待

味の素㈱広告部のクリエイター職においては、自ら手を動かし最後まで作りあげることがメイン業務ではありません。クリエイティブ力はもちろん必須ですが、さらに、ものごとを俯瞰で捉え、企画し、伝え、社内外の人とコミュニケーションを取りながらぐいぐいと引っ張っていけるようなバランスの取れた人を求めています。感度が高くて、新しいことに好奇心旺盛、何かを大きく広げていくことが大好き。そんな、創造への思いが強い人がいいですね。多摩美を卒業した人であればクリエイティブ力は信頼できるので、学生の方にはさらに、たどたどしくてもいいから自分の言葉できちんと伝えることと、自分と向き合ってとことん突き詰め、「自分の強み」を持つ努力を重ねてほしいと思います。


パッケージをはじめ、CMやグラフィックを考え、作り、伝える楽しみ

赤坂 由美子さん
赤坂 由美子さん

2006年|グラフィックデザイン卒

味の素株式会社
広告部
クリエイティブグループ

私は子どもの頃、アメリカで絵を通してコミュニケーションが取れた経験から、絵を描くことが自分の強みのひとつであり、それをより磨きたいと思って多摩美に進学しました。3年生からの専門課程では広告アートディレクションを専攻し、商品やサービスを、いかに魅力的にわかりやすく伝えるかという考え方の基礎を学びました。社会に出てから、「あの時学んだことはこういうことだったのか」と気付くことが多かったのですが、特に講評会で、大勢の人の前で作品をプレゼンしたことは、今の仕事に生きていると感じます。作ったら終わりではなく、人に伝えるまで課題として取り組んでいたことが大きかったですね。

色々なプロと関わりながら作り上げていく過程が楽しい

現在は海外のスープや調味料のパッケージデザイン開発や、国内の通販用サプリメントのパッケージデザイン開発を中心に仕事をしています。広告部でできる仕事は多岐にわたり、パッケージから、CM、グラフィック、動画など、コミュニケーション全体のクリエイティブディレクションを担います。ひとつのブランドや商品のクリエイティブを一気通貫して見ることができるのです。グループメンバー、社内マーケッター、外部デザイナー、カメラマン、料理家、代理店の方など、色々なプロの方と関わりながら作り上げていく過程はすごく楽しいですね。

自分の仕事から、暮らしや食事がハッピーになることを願う

広告部としての仕事の魅力は、商品やブランドのクリエイティブに全網羅的に携われることです。多くの方が日常的に接しているパッケージやCMなどを通じて、自分の仕事が世の中に広がっていくのは、とてもやりがいがあることだと感じますし、その人の暮らしや食事が、少しでもハッピーになることを願って仕事をしています。