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■ 多摩美の版画、学びの方向

版画は、アートとデザインを横断する多種多様な複製メディア表現であり、 これまでにない新しい表現を生み出す。

今日の情報化社会を支えるのは情報を複製し、配信する技術であり、かつてそれを切り拓いてきたのは版画の技術でした。この技術の出現は人々の生活を根本的に変えてしまったと言えるでしょう。西洋の印刷術から始まる銅版画やリトグラフ、浮世絵で知られる木版画など、版画は東西に長い歴史を持ち、複製技術時代の芸術表現として展開してきたのです。そして今日おいてはデジタル化によって写真やCGも版画の一つとして捉えられ、その一方で版画とデザインの歴史的な関わりが見直されてきました。本学の版画専攻では、このような版画の多種多様な可能性を探求することを通じて、アートとデザインを横断しながら、独自の視点で思考できる人の育成を目指しています。


版画専攻の教育研究領域(複製メディアとしての版画):伝統的な版画技法を核とした多様な拡がり


版画とは間接性と複数性でなる芸術

直接的で唯一の絵画とは異なる、版を介在することによる間接性と複数性が版画表現の本質となります。
図は直接性(物質性)⇔間接性(非物質性)と唯一性(オリジナル)と複数性(コピー)が設定され、この中心に「オリジナル版画」という版画芸術の核が位置づけられます。


版画と歴史的に関係のある領域を学ぶ。「版画と・・」

多摩美では4版種の版画の学びを核としながらも、版画と歴史的に関係のある領域も学んでいきます。



デザインは社会とかかわるための技法、思考法としてとらえる。アートが社会にかかわる上で、デザイン的な発想、技法を学ぶことは、硬直化した美術業界にあって、別の新たな可能性が生まれることが期待できます。美術における言葉にできない曖昧さ、未分化な状態はややもすれば自閉的になる恐れがありますが、、デザインにおける合理性、明快さを学ぶことで、そこを乗り越える可能性があります。


育成したい人材像