学生生活

 

1)学生自宅と下宿について

改組により年間の学生数は毎年は100人程度増加している。学生数全体から見ると女子の比率が毎年増加現象にある。
自宅と下宿との通学者には比率的な変化は見られない。一方、下宿通学者においては男子の減少に反し女子の増加がめだつのは、女子の地方出身者が増大していると思われる。今後の下宿対策は、女子に良質の下宿を確保していかねばならない。

在籍者の男女比率
  1997年度 1998年度 1999年度
学生総数 2810名 2917名 3035名
男子学生割合 46% 44% 42%
女子学生割合 54% 56% 58%
自宅通学者と下宿通学者の比率
自宅通学者 53% 54% 54%
下宿通学者 47% 46% 46%
自宅通学者と下宿通学者の男女比率
男子自宅通学者 21.0% 20.5% 20.0%
男子下宿通学者 25.0% 23.5% 22.0%
女子自宅通学者 33.0% 33.5% 34.0%
女子下宿通学者 21.0% 22.5% 24.0%

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東京近郊に家族が住居しているが、下宿している学生の割合
  1997年度 1998年度 1999年度
  自宅 下宿 自宅 下宿 自宅 下宿 下宿率
東京都 677名 82名 735名 72名 749名 77名 9.6%
神奈川県 525名 56名 520名 60名 548名 58名 9.8%
埼玉県 195名 89名 209名 88名 223名 86名 29.5%
千葉県 88名 146名 79名 149名 73名 159名 65.4%

3年間の平均下宿率は大学が東京西部にあるため千葉県の下宿率が高い

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自宅外学生の居住地分布 1999年度在校生
 東京都
902名
64%
八王子市 436名 31%
町田市 107名 7%
多摩市・日野市 34名 2%
立川市・国分寺市・小平市 152名 10%
府中市・調布市・三鷹市 53名 4%
その他市部 28名 2%
23区内 92名 6%
神奈川県
501名 35%
相模原市
471名 33%
橋本周辺 323名 23%
その他相模原市 148名 10%
津久井郡 6名 0.5%
その他の県   17名 1%

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主要出身地別の在校生数
  1997年度 1998年度 1999年度
北海道 42名 45名 42名
宮城県 18名 21名 21名
東京都 759名 807名 826名
神奈川県 581名 580名 606名
埼玉県 284名 297名 309名
千葉県 234名 228名 232名
新潟県 36名 36名 32名
静岡県 105名 103名 103名
大阪府 25名 26名 26名
兵庫県 23名 27名 29名
広島県 38名 36名 45名
四国 46名 45名 39名
福岡県 40名 43名 56名

 

2)留学生の厚生指導について

新入留学生ガイダンス:毎年4月初旬に新入生に対し、教務部と共に実施している。学生生活や奨学金等について、説明をして、入学してから戸惑うことのないように、指導している。尚、在校生の留学生も参加し、留学生が直面する勉学及び生活上の諸問題について、アドバイスをもらい、円滑に学生生活が送れるよう、環境を整えている。

留学生懇談会:毎年6月に、学生課主催で、本学の国際交流委員会各委員と留学生の懇談会を実施している。日頃の勉学及び学生生活について、気軽に話していただき、教員と留学生間の理解を深めることができている。

留学生展実施の援助指導:平成11年11月に第4回留学生展を実施した(毎年秋に実施)。学部、院及び研究生の総勢18名による展示が行なわれた留学生自ら企画し、斬新な創作をし、お互いを高め合っている。
なお、学生課では、実施をするための相談等に応じ、バックアップしている。 

日本国際教育協会による医療費補助対応等の健康管理等を保健室と共に行っている。

出入国管理局等に提出する書類手続き対応に対応している。

その他、留学生の生活全般にわたる相談に対応している。

 

3)学生の傷害事故の状況について

平成11年度は例年になく学生の傷害事故が多く、7月の夏季休暇開始時点には、早くも例年並の事故件数に達している。しかし、その後も事故は減ることはなく、12月の冬季休暇開始時には例年の倍近い件数を示しており、年度末考査や卒業制作で学生の疲労が大きい1月にも事故が続く可能性があるため、特に研究室は指導を徹底する必要がある。

事故が起きる活動で突出しているのは正課中、特に実習中のケガが19件中16件と圧倒的に多い。ケガの内容としては、刃物を使用した時の切り傷が最も多く、この点は例年とほぼ変わらないが、金属片等が目や肌に触れる事故が今年度前半に多く発生している。ゴーグルをつけるなどの予防策をしていれば防ぎ得た内容の事故であり、新学期で不慣れな学生が十分に予防策を取っていなかったことが事故につながったといえる。

事故件数の増加理由の一つとして、対象となる学生が以前より学生課に申し出るようになった傾向が挙げられる。学生がケガをした時の研究室・保健室・学生課の連絡が密になった結果といえる。

平成11年度 学生教育研究災害傷害保険の適用状況 (1999.12.21現在)

  事故発生件数 事故の起きた状況
  事故 適用 正課中 通学中 サークル
活動中
学校
行事中
休憩中
平成8年度 16件 11件 11件 2件 2件 1件
平成9年度 18件 11件 12件 0件 3件 0件 3件
平成10年度 14件 1件1 7件 2件 3件 2件 0件
平成11年度 27件 19件 2件 2件 2件 2件
美術学部及び大学院の統計

※「事故件数」は、学研災の適用に相当する事故の発生件数、「適用件数」は、実際に保険がおりた事故の件数を指す。「事故件数」と差が生じるのは、その後の治療状況によって不適用となる、学生が手続きを行なわないなどのケースがあるためである。
※通学途上の事故は、平成9年度入学者より保険適用対象となった。

 

4)救急法講習会の実施

平成3年度に、第1回、日本赤十字社による救急法講習会を八王子校舎で開催した。以来、変遷を辿りながらも順調に回を重ね、平成12年度には10回目を迎える。救急法の目的は、事故防止から始まり、緊急時に必要な手当てができるように正しい救急法の知識と技術を身につけ、実践していくことにある。体育連合会の形態も多様化し、行動範囲が広域化してきていること、また、部活が 主に放課後あるいは、休日に行われているということから、部員たちが事故発生時に 適切な応急処置ができるよう、救急法の知識と技術を習得させる。放課後の制作でバーナーによる火傷、カッターによる縫合を要する切り傷、重量物 転倒による骨折、プレスによる圧迫裂傷、その他工具による負傷等が保健室に報告な されていることから、実技指導にあたっている助手、副手にも講習の参加を呼びかけ、 学生たちに工具を使う際の事故防止を啓発し、かつ、正しい応急手当ができるようにしてもらいたい。

第1回目の講習会では、体育連合会の部長、マネージャー、研究室の助手、副手、職員に参加を呼びかけた。40名の定員ですぐに50名以上の申込みがあり、早々に申込みを締め切るほど、うれしい悲鳴の中でスタートした。
午前9時30分から午後4時30分まで、ハードなスケジュールで講習が進められていく。遅刻、早退をすると修了証が交付してもらえない。最終日にはどれだけ講習内容を理解したか、学科、実技の検定試験とシュミレーションも行われる。学生がどこまで遅刻もせず全課程を受講できるか多少の心配もあったが、いざ始まると実に熱心に受講した。2回目より、体育連合会に加盟していない学生も参加したいという声が起き、対象を広げることにした。5回目より、講習内容に心臓マッサージが加えられ、更に充実した講習となった。その後、次第に体育連合会に加盟する学生たちの意識が変わりつつあるのと同時に、講習会の参加申込者が減少してきた。そのため、他大学の学生も希望があれば、人数を限定して受け入れることにした。そのことにより、他大学の学生との交流ができ、かつ、お互いに刺激し合えるのではないかと考えたためである。効を奏し、平成11年度の講習会では定員オーバーとなった。参加学生たちは和やかな雰囲気の中にも気合が入り、うまく心肺蘇生法ができないと悔しがり次にチャレンジしていく。夢中で実技を学んでいる学生たちの姿にすがすがしさを感じる。講習後のアンケートでも受講してよかったという声が多い。
本講習を通して、ルールを守ること、人との関わりの大切さ、ボランティアの心も培ってもらえることであろう。
日赤の講習会を全課程出席することにより、単位として認定している大学もある。本学においても単位認定の領域を広げ、人格形成の一助となるような講習や課外活動等の認定も検討していく必要があるように思う。また、地域住民の参加も検討していきたい。
本講習は、今後も継続させていきたい企画のひとつである。

講習内容:傷病者の観察、心肺蘇生法、異物除去、止血の仕方、包帯法、骨折の手当て、運搬等。
講習期間:毎年、7月の集中講義期間 3日間

 

5)保健室業務

(1)業務内容
a. 学生定期健康診断:実施計画、業者依頼、健康診断データ整理、健康診断票の管理
未受診者対応、血圧・尿未検者再検査、有所見者の事後措置
b. 救急・応急処置:学内での傷病者の応急手当、必要時、病院紹介・移送等
c. 健康相談:職員が適宜相談に応じ、必要な場合、校医(精神科医に依頼するケースもあり)又は、近くの医療機関を紹介
d. 学校医による健康相談:毎月、第3水曜日13:00〜14:00。一応予約制であるが、当日でも殆ど受け付けている
e. 健康診断証明書の発行:就職用・進学用・介護体験用・教育実習用・奨学金用等の証明書発行
f. 留学生医療費補助金申請:留学生の医療費補助の手続きを行いながら、留学生の生活状況・健康状態の把握・健康指導
g. 受験生の健康状況調査(文部省報告)
h. 学内研究室貸し出し救急箱の点検・補充 夏季休暇前に一斉点検、他は適宜申し出により補充
i. 入学試験他、学校行事の救護業務
j. 芸術祭時、救護班への救護指導
k. 全国大学保健管理集会、保健所等の研修会参加
l. 教職員、健康診断データ管理

(2)業務別評価
健康診断:保健室業務の年間通して、主となるものが学生定期健康診断である。
美術学部受診率5年間の推移を以下の表に示してみた。92年度より順調に伸びており、98年度より全学年90%以上受診している。受診率の伸びは、健康診断前のお知らせや、診断後の指導の成果が多分にあると思われる。
検査結果:有所見者は必要に応じ、再検査、校医面接、医療機関への紹介等の対応をし ているが、今後、高血圧・低血圧・肥満等、症状別の集団指導も検討したい。
健康診断証明書:健康診断証明書発行状況は以下に示した通りである。98年度、夏休みに明らかに減少しているのは、就職活動時期が早まったり、求人の減少によるものと思われ、励ましながら発行している。今年度は、就職活動以外の介護体験等の証明書が増えた為、総発行数も増加した。
97年度1339通(夏休152)。98年度1256通(夏休99)。99年度1677通(夏休147)。

美術学部定期健康診断受診率の推移
  95年度 96年度 97年度 98年度 99年度
  在籍数 受診数 受診率 在籍数 受診数 受診率 在籍数 受診数 受診率 在籍数 受診数 受診率 在籍数 受診数 受診率
1年 708 641 91% 711 686 96% 705 669 95% 858 827 96% 871 831 95%
2年 708 587 83% 724 585 81% 719 653 91% 705 639 91% 833 776 93%
3年 700 490 70% 683 523 77% 701 546 78% 690 622 90% 670 606 90%
4年 684 584 85% 698 581 83% 678 598 88% 689 622 90% 690 644 93%
合計 2,800 2,302 82% 2,816 2,375 84% 2,803 2,466 88% 2,942 2,710 92% 3,064 2,857 93%

 

(3)保健室利用状況
今回、利用状況のデータを掲載出来なかったが、平成9年度より1000名を上回り年々増加している。今年度4月〜12月現在で1400名余り来室しており、(健康診断事後措置含まず)条件を揃えて統計を出し検討することが今後の課題である。また、全自動血圧計を購入したことにより教職員の来室が増し、健康管理の意識が向上してきている。今後、体脂肪計を購入し生活習慣病の予防に有効利用したいと考えている。

(4)おわりに
大学の規模が大きくなり、学生の人数も増し、保健室職員一人では対応に苦慮することもあるが、学生課職員・研究室他の教職員の協力により、何とか保健室業務が成り立っている。センター的な大きな仕事は出来ないが、学生・教職員の利用し易い保健室を心がけている。
今後の課題としては、健康診断の事後処理、未受診者及び呼び出しに応じない学生への適切な指導をさらに徹底し、意義のある健康診断にすることである。また、研修等で得た情報により、健康面の正しい知識の啓蒙にも努めたい。

 

(学生課長 植村博)