ソニー・デザイン・チームの「ウォークマンTPS-L2」
Sony Design Team
1978
042 第二次世界大戦が終結した翌年の1946年、盛田昭夫と井深 大は東京通信工業会社を設立、1958年に同社は西欧人にも発音しやすい“ソニー”を新社名とした。同社は、ラジオ(1955)、テレビ(1960)、テープレコーダ−(1961)、家庭用ビデオテープレコーダ−(1964)など、世界初のオールトランジスタ製品を次々に発表する。1978年に発売した「ウォークマン」は、一般ユーザーにとって、まったく新しいコンセプトの電子機器であった。これは好奇心旺盛な盛田会長がテニスをしているときに思いついたと言われている。ソニーの既存トランジスタ技術を結集することで、ポケットの中に入れたり、ズボンのベルトにつけて持ち運ぶことができる小型のカセットテープ再生装置が完成したが、小型へッドホンの開発が大きな問題として立ちはだかった。写真の窓付きのオリジナルモデルは、後年発売されるステレオ再生・重低音・抑制スイッチの機能を備え、ダイヤル、ボタン配置が特徴の新モデルと比べると融世の感がある。発売当初はかなりの高価だった「ウォークマン」も、多くのライバル会社が類似製品を次々に発売したため、今では価格が安くなった。しかし、この商標名は一般に広く浸透している。現在では電子技術の進歩により、カセットプレーヤーはCD/MDプレイヤーに取って代わられた。


【素材】プラスチック、金属部品

100 DESIGNS 100 YEARS
20世紀を創ったモノたち
メル・バイヤーズ/アーレット・B・デスボンド
森屋 利夫/成澤 恒人
2000.05.05
株式会社アクシス