P・リユングレン、I・リユングレン、A・ヘゲルマルク共作ロボットクリーナー
Pnese Ljunggen/Per Ljunggen/Anders Haegermark
1999
1901年にイギリスの橋梁技術師、ヒューバート・ブースが特許を取ったときの吸引式真空掃除機の大きさは、現在の家庭用冷蔵庫ほどもあった。その構造は次第に改良され、1912年、アクセル・ウィンナーグレン(1881〜1961)が14kg型「ルクス」を完成した。10年後の1921年、彼はエレクトロルクス社を設立し、初の家庭用電気掃除機を生産したが、掃除ロボットにはほど遠いものだった。1991年、扱いにくい上に高価な産業用ロボットがアメリカで発売された。「私は長い間、ごく一般的な家で普通に暮らす人たちが使える掃除ロボットを作りたいと考えてきた」と、エレクトロルクス社で、このロボットのプロジェクト・リーダーを務めるペル・リユングレン(1957〜)は語った。アイデア実現に向けて。中心となる研究チームが編成され、後に他の専門家達が加わり、工業技術とデザインの双方が等しく重視された。機械技師のアンデルス・へゲルマルク(1964〜)は、自ら「ユーザーを代表する工業デザイナー」と宣言する、イネセ・リユングレン(1954〜)と共同でデザインを行った。プロトタイプは粘土で作られ、ハンドル兼用のバンパーが付けられた。チームは、排気用のエラ状部分を有史以前の三葉虫に模して図面を引いた。1999年までに、フォトポリメック素材を何層にも重ね、紫外線ビームを当てて強度を高めた現定数の模型が作られた。写真のプロトタイプは最終的な完成品と同等の物である。
【素材】フォトポリメリック素材。金属部品、電子部品、写真はプロトタイプ。
100 DESIGNS 100 YEARS
20世紀を創ったモノたち
メル・バイヤーズ/アーレット・B・デスボンド
森屋 利夫/成澤 恒人
2000.05.05
株式会社アクシス