お知らせ一覧へ戻る

アヌシー国際アニメーション映画祭出品作『ホウセンカ』多摩美生限定試写会&木下麦監督トークショー開催


10月1日、アニメーション映画『ホウセンカ』の多摩美生限定の試写会が、全国公開(10月10日〜)に先駆け八王子キャンパスにて開催されました。

この作品は2014年メディア芸術コース卒業の木下麦さんが監督を務め、アヌシー国際アニメーション映画祭2025の長編コンペティション部門に正式出品されています。

今回の試写会はメディア芸術コースの特別講義として行われ、上映後には木下監督と本学の寺井弘典教授のトークショーも開催されました。

トークショーでは、まず木下監督が『ホウセンカ』について「誤魔化さずに純粋なもの、純度の高いものを作りたかった」と制作に込めた想いを語り、寺井教授は本作を「映像美重視型のアニメーション映画とは一線を画すチャレンジングな作品で、伏線回収や会話劇が魅力の構造的な物語」と評しました。

 続いて、企画・制作の過程やアヌシーでの公開の様子、海外の観客の反応など制作者ならではのエピソードが語られました。トークショー後の質疑応答でも、受講した学生からの質問に対し丁寧に答えていただきました。

また、監督自身の学生時代についての質問に対しては、「2年生から3年生の映像の授業で初めてアニメーションを作った時に、自分に合っている気がした。しっかり課題をやって締め切りも守っていた。卒業制作に全ての力を注ぐ、どちらかというと真面目な学生だったのではないか。」と当時を振り返りました。
さらに監督の卒業制作であるアニメーション作品『INDOOR』が特別に上映されるなど、参加した在学生にとって貴重な機会となりました。

学生ひとりひとりに対して丁寧にお答えいただきました
卒業制作『INDOOR』について語る木下監督と寺井教授

木下監督は在学時代からアニメーターやイラストレーターとして活動をはじめ、アニメーション作品『オッドタクシー』で監督とキャラクターデザインを担当、文化庁メディア芸術祭の新人賞を受賞しました。今作の『ホウセンカ』は木下監督にとって初の長編アニメーション映画作品となります。

『ホウセンカ』
TVアニメ「オッドタクシー」を手掛けた木下麦(監督・キャラクターデザイン)×此元和津也(原作・脚本)と、制作スタジオ・CLAPによる、オリジナルアニメ映画

ストーリー
「ろくでもない一生だったな」
独房で孤独な死を迎えようとしていた無期懲役囚の老人に声を掛けたのは、
人の言葉を操るホウセンカだった。
“会話”の中で、老人は自身の過去を振り返り始める。
(公式サイトより)

キャスト
小林薫
戸塚純貴
満島ひかり
宮崎美子
安元洋貴
斉藤壮馬
村田秀亮(とろサーモン)
中山功太
ピエール瀧

スタッフ
監督・キャラクターデザイン:木下麦
原作・脚本:此元和津也
企画・制作:CLAP
音楽:cero / 髙城晶平 荒内佑 橋本翼
配給:ポニーキャニオン
©此元和津也/ホウセンカ製作委員会

『ホウセンカ』予告編